宝塚歌劇団の月組トップ珠城(たまき)りょうが21日、兵庫・宝塚大劇場で、退団公演「桜嵐記(おうらんき)」「Dream Chaser」の千秋楽を迎えた。コロナ禍で数千人ファンに見送られるパレードは取りやめも、正装緑のはかま姿で最後の大階段を下り、あいさつ。同時退団のトップ娘役美園さくらとともに本拠地に別れを告げた。

東京宝塚劇場は7月10日開幕。8月15日の同千秋楽をもって、珠城は在位5年半のトップを退く。

セレモニー後、珠城は記者会見に臨み、一問一答は以下の通り。

   ◇   ◇   ◇

-最後のあいさつは、はかま姿だった

珠城 はかま姿で大劇場で初舞台のごあいさつをさせていただいたので、卒業するときも、男役である前に、いち(1)生徒として、みなさまにごあいさつ申し上げたいと思いましたので、はかまを選びました。迷いなくです。

-今朝の楽屋入りはどうたったか

珠城 本日朝から月組のみんなに迎えてもらって、専科の一樹(千尋)さんもそこに来てくださって、本当に温かく迎えて入れてくださってすごく幸せでした。普段、舞台とかパレードとか、舞台上でみんなに迎えてもらったりするときは、そういう気持ちにはならないんですけど、素の自分でみんなに迎えてもらって、すごく恥ずかしくてだいぶ照れくさかった。でもすごく幸せでうれしかったです。

-2人目の相手娘役に迎えたトップ娘役美園さくらも同時退団する。美園とはどんな話をしたか

珠城 本当に朝からめまぐるしく時間が過ぎてしまっていて、ゆっくり話す時間がなかったので、舞台を終えてようやく言葉を交わせるのかなという感じ。

-約14年親しんだ本拠地の宝塚大劇場は、どんな場所だったか

珠城 自分にとってのホームだなと思うし、過ごしてきている時間が、いかに長いかっていうのを改めて実感しました。本日までずっと退団する実感がないと言っていたけど、それぐらい出演者の自分にとっても、宝塚というものが夢の場所というか、ずっと夢を見ているような感覚。まさに宝塚ってそういう場所なのかなと思いながら過ごしていました。

-少し涙ぐんでいたが、笑顔でサヨナラのイメージだった

珠城 とくに絶対泣かないぞっていうよりは、やっぱり、私たちの舞台はお客さまに元気、笑顔になっていただいたりに、前向きな気持ちになっていただけるものをお届けできたらいいなと、日々舞台を務めていますので、私にとっては大劇場の千秋楽ですけど、自分の感情に流されずに、1人の役者として、珠城りょうとしての男役人生を、しっかりまっとうしたいという思いはありました。みなさまに笑顔でいてほしかったので、しんみりにならないようにサヨナラショーの曲も考えました。

-そのサヨナラショーの締めに「BADDY」を選んだ理由は

珠城 一番最後にやったら盛り上がるかなと思ったときに、やっぱり切り札だなと。サヨナラショーの曲も自分がやりたいから、好きだからじゃなくて、ファンの方が見たいものは何なのかを、一番に考えて曲を選びました。

-次期トップ月城かなとから花束を受けた。どんな言葉をかけられたか

珠城 「宇宙一かっこいいです」という言葉をもらいました。朝からちゃんと「お花を渡すときにひと言ちょうだいね」「考えます」って言ってくれていた。