楽天・石井一久監督(47)が21日、この日からMLBで取り締まりが始まった「投手による粘着物質使用」について私見を語った。

 石井監督はまず「(日本とメジャーでは)ボールが違うのでまずボールを滑らなくすることが大事だと思う」とパドレス・ダルビッシュら現場の多くの投手が悩み、指摘してきたローリングス社製MLB公式球の根本的な問題を語った上でこう続けた。

「ボクは無頓着だったのでなにかめんどくさいと思ってしまう。そういうものに時間を費やすことがめんどくさかった。滑るなら滑るでいいやと思ってしまうタイプだった。ただ、ボールが滑るということ自体がメカニックだったり、いろいろなものが進化している中でピッチャーがあの滑るボールで投げるというのは逆にフェアじゃないんじゃないかな」

 ドジャース(02~04年)、メッツ(05年)で4年間のメジャー経験を終え、日本球界に復帰した石井監督はその時のボールの質の違いを「感じました。日本のボールは滑らないので。そこはフェアな状況にあるんじゃないですか」と実感を込めて語った。

 さらに「MLB(の公式球)は本当に滑るので、その時点で滑らなくする努力をせざるを得ないというところを大リーグ全体で考えていかないといけないんじゃないかな。滑らないような素材にして試合を行えば何の問題もないと思う」との主張を繰り返した。

「投手の違反投球問題」については、これまで事あるごとに取り締まりを強化してきた大リーグ機構だがその根本問題である「公式球の変更」については今回も触れることなく粛々と取り締まり強化だけが開始された。

 これが逆にその裏に横たわる巨大利権の存在を匂わせる問題の根深さを強調してしまっている。