キヨシ節が響き渡った。DeNAの初代監督・中畑清氏(67)が24日、ノンフィクション書籍「ベイスターズ再建録『継承と革新』その途上の10年」(二宮寿朗氏著/双葉社)の刊行記念オンライン記者会見に出席した。

 今年は横浜DeNAベイスターズが誕生し、ちょうど10年目となる。同書はその軌跡をたどりつつ選手ではなく内側の球団職員にスポットを当て、人気球団へと変貌を遂げていくまでの戦い模様を追ったスポーツノンフィクション。

 初代指揮官として2012年から4シーズンに渡って手腕を振るった中畑氏は同書の中で数々の秘話を明かしており、著者・二宮氏とともにトーク形式で行われたこの日の会見でも、就任当初の苦悩について「プロ野球は見てもらってナンボの世界。でも最初は現場もフロントも元気がなく、覇気がなかった。挨拶の仕方を練習するところから始まった」などと振り返った。

 また、質疑応答ではリーグ最下位に沈んで苦しい戦いが続く今季のDeNAに関しても触れた。「スタートが余りにも悪かったからなあ」と述べると「かなりオレ(の12年就任1年目)よりスタートとしては悪いほうだよね。厳しかったと思うが、でもある程度選手が揃って復活してきた中で言えば、ちょっとは戦えるチームになってきたという手応えはあると思う」と語り、こう助言を送った。

「残りの試合を新しい『三浦大輔(監督の)DeNA』という形で作れるかどうか。大輔の色を出していってね。彼は投手出身だけに投手陣の強化、整備というのをメインに出していって欲しい。今攻撃力ばかりがメインになっているが、一番大事なのは守る野球」。

 そして「あと何年で優勝できるか」との本紙の問いには「これはもう希望がある。やっぱり3年。3年以内というのは三浦大輔監督の〝寿命〟もそれぐらいだと思うので。やっぱり、ある程度、期限をセッティングしてやらせていかないと監督もチームもダメ。そういうスパンというのかな、ケジメをつけて3年以内にダメだったらという覚悟を持ってやっていくというチーム方針でね。スタンドのファンにもそういう空気が伝わって盛り上がっていくという方法もある。3年以内というのはいい条件じゃないの。大輔がそれをどう感じて成長させていくか」とコメント。三浦監督に「3年以内でV」を厳命した。

 最後は「俺はずっと4年でほとんど最下位だったよ。文句ある?」と苦笑い。自虐的な言葉で締めた。果たして、誰よりも熱いキヨシ節エールは三浦監督率いるDeNAの面々に届くか。