女優熊谷真実(61)が舞台「マミィ!」(7月30日初日、赤坂レッドシアター)に主演する。脚本と演出は劇団「ONEOR8」を主宰する田村孝裕氏が務め、明るさの裏でもがき苦しんだ女性の家族や人生の軌跡を描く。「本当は田村氏の暗い舞台が大好きなんだけど、私と組んでいただけたらどんなものが生まれるのだろう」と熊谷がオファー。今回の舞台が実現した。

熊谷は過去に、自身の両親や姉妹についての話を田村氏にしたことはあったという。今回の舞台では、熊谷演じる主人公の夫はいつの頃からか家に帰らなくなったという設定だ。「帰ってこない父親というのは私の父です。シンクロする部分はあるのかもしれませんが、どんなストーリーになるのかは楽しみです。私は田村さんの超絶リアルな舞台が好きなので、ウソは入れたくないので、コロナ禍の家族を書いてくださいとお願いしました」。 

昨年、熊谷の母の二十三回忌の際、母が30代の時の日記帳を見たという。「妹がもってきてくれて、朗読してくれました。『今日も帰ってこなかった。寂しい』とあり、3人で号泣です。私にはそんなそぶりは一切見せなかった。女性は妻、お母さん、女を演じ分けないといけません。男性も同じで、夫はいなくてもいいけど男はいてほしいということですね。妻とお母さんだけだと、女は不在になるから。だから、女の部分がBTSとかジェジュンとかに向かってしまうんですよ」と笑った。

プライベートでは12年に書道家の中沢希水と結婚も、今年3月に離婚を発表した。その際は「将来的なビジョンの相違ですが、お互いにとってとても前向きな離婚という決定です」と説明した。

熊谷は「私は好きになったら裏方に回りたいタイプ。でも、いつのまにか写真の真ん中にいるんです。真ん中にいてみんなを笑顔で楽しませている。私にスポットが当たると、その横は陰になる。そんなことが思い当たりました」と振り返った。【竹村章】