西武・中村剛也内野手(37)が28日のソフトバンク戦(京セラ)で決勝の6号ソロを放ちチームの五割復帰、同率3位浮上に貢献した。

 この日の試合に「4番・DH」で出場した中村は1―1の同点で迎えた4回の第2打席で相手先発・レイの内角151キロツーシームを腕を畳みながら前でとらえ左翼スタンドへ勝ち越しの一撃を放った。

 中5日登板で6回1失点の先発・松本航を援護し、中村が「打ったのはツーシーム。打ててよかったです」と振り返った今季6号は、自身通算430号となるプロ野球歴代16位のアーチでもあった。

 次のターゲットとなる歴代15位、西武OBでもある秋山幸二(437本塁打)までは7本。14位の長嶋茂雄(444本)までは14本差となっている。

 とりわけ特徴的なのは中村の本塁打率(1本塁打にかかる打数)だろう。

 プロ19年のキャリアの中で数々の故障に遭い、今も持病の腰痛を抱えながらプレーする傷だらけの中村が430本塁打に要した〝時間〟は計1804試合、6187打数で本塁打率に換算すると「14・39」となる。

 これは歴代本塁打数で中村の上にいる大打者15人の中でも4位となる数字だ。

 トップは通算868本と不滅の大記録を打ち立てた〝世界の本塁打王〟王貞治(巨人)の「10・66」。続いて歴代11位(474本)田淵幸一(西武)の「12・41」、同13位(464本)タフィー・ローズ(オリックス)の「13・52」が中村を上回っている。

 健康でありさえすれば本塁打は打てる。それを実証してきた中村が「希代のアーティスト」と称賛されるゆえんだ。