【東スポ音楽館】演歌歌手・城之内早苗は昨年、芸能生活35周年記念シングル「恋衣」(作詞・石原信一氏/作曲・円広志氏)をリリースした。今年2月には敬愛する森昌子さんのヒット曲「越冬つばめ」をカバー収録したデラックス盤を発売した。

 ――「恋衣」はどんな作品ですか

「女の情念を歌った歌です。私がぜひ石原先生と円先生に作っていただきたいと言いだした楽曲なんです。というのも、私は小さいころから昌子さんが大好きで、昌子さんの背中を追いかけてこの世界に入ってきたんです。35周年記念で“何か希望を”と聞かれたときに、大好きな『越冬つばめ』を書かれたお二人にお願いしたいって」

 ――「越冬つばめ」を今回はカバーした

「昨年はコロナで何もできなかったし、『恋衣』は本当にすてきな曲なので、もう1年やろうって話になったんです。せっかくやるんだったら『越冬つばめ』をカバーしようかと提案されて、やります!って即決しちゃいました」

 ――名曲をカバーする上で気を付けたことは

「昌子さんが好きすぎて普段からDVDを見てるんです。そうすると、どうしても節回しとか似ちゃうんです。自分の歌にしなきゃ、似ちゃいけない、でも好きだしって葛藤しながら歌ってました」

 ――城之内さんのスタートはおニャン子クラブ

「そのころソニーの演歌歌手志望のレッスン生だったんです。オーディションも、受からないから安心してって送り出されたんですが、受かっちゃったんですよ。その時、一緒に受けたのが河合その子ちゃん。番組は高校生を募集していて、そのちゃんも高校生じゃないし、私も演歌だし、2人で受からないねって話し合っていたんです。オーディションの後、せっかく東京に来たから思い出にって、東京タワーに一緒に上りました」

 ――2人とも合格し翌年にはソロデビュー

「ソロデビューするよって言われた時は『何でですか?』って思いました。この『何で』には演歌の私が『何で』アイドルグループの中でソロデビューできるのか、ジャンルは『何で』デビューするのかっていう2つの意味がありました。演歌だよって言われたときには子供心にも、無理でしょって思いました」

 ――それでもデビュー曲「あじさい橋」は大ヒットし、そこから35年

「こうやって1年に1作品シングルを出させていただいて、歌い続けていられるのもファンのみなさんのおかげです。みなさんに背中を押され、手を引っ張っていただいた35年間だと思っていますので、これからも私の背中を押して、手を引っ張ってください」