中村静香主演、たやのりょう一座「飛龍伝」が7月28日から8月1日まで東京・池袋の東京芸術劇場シアターウエストで上演される。昨年4月に行われる予定だったものの延期公演だ。つかこうへい作品を中村と座長の田谷野亮がタッグを組んで上演するのは、第3回公演「蒲田行進曲」、第4回公演「ストリッパー物語」に続き3度目だ。

 メインのもう1人、桂木順一郎役にはミュージカル「忍たま乱太郎」の土井半助役などで活躍する一洸が一座初参戦。演出は再び劇団☆新感線のこぐれ修が担当する。生前のつかこうへい氏と何度もタッグを組んできたこぐれが名作を忠実に再現する。

 学生運動が盛んだった1970年前後、後に全共闘40万人を束ねることになる女学生、神林美智子を演じる中村はこう語る。

「革命の炎が燃え上がるそんな激しい時代が、つい50年前の日本にあったなんて。委員長の桂木、機動隊の山崎とのいびつな三角関係。愛と革命の日々、どんな景色を夢見ていたのか、何に希望を抱いていたのか、当時のことを勉強しながらまもなく精一杯取り組んでいきたいと思います」

 そんな中村を演出のこぐれ修は「女優、中村静香は小さなヒントを彼女に近付けてあげて、ひとたび役を掴むと、途端に『芯のある』女優に生まれ変わるのです。今作『飛龍伝』は、そんな中村静香の『芯の強さ』と一番幸運な形で結びついた作品だと言えます。確かに『飛龍伝』は、つか自身の演出で、名だたる女優陣が名前を連ねて来ました。けれど、40万全共闘を率い束ねられる女優は、中村静香をおいてないと思ってます。これは確信です!どうか存分に期待して劇場にお越し下さい、お待ちして折ります」と絶賛している。