大阪松竹座で3日、2年ぶりとなる「七月大歌舞伎」(18日まで)が初日を迎えた。東西の歌舞伎俳優が集結し、夏らしい熱気に満ちあふれた舞台となった。

慢性閉塞(へいそく)性肺疾患のため、5月に亡くなった人間国宝の片岡秀太郎さん(享年79)は、昼の部「伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)」で今田万次郎を務める予定だった。同役は、秀太郎さんの弟、片岡仁左衛門(77)の長男孝太郎(53)が演じた。

昼の部「お祭り」では、仁左衛門、孝太郎、千之助(21)の松嶋屋3世代が風情ある舞踊を披露。04年以来の「お祭り」での親子3世代共演で、華やかな踊りに客席からは大きな拍手が起こった。

「伊勢音頭-」と夜の部「恋飛脚大和往来 新口村(こいびきゃくやまとおうらい にのくちむら)」に出演予定だった中村鴈治郎(62)は、新型コロナウイルスの濃厚接触者と認定されたため、12日までの出演を取りやめた。PCR検査を受け、陰性と判定されたが、保健所の指導に従って休演することとなった。

「伊勢音頭-」の油屋お鹿は片岡千壽(39)、「恋飛脚-」の亀屋忠兵衛と父孫右衛門は中村扇雀(60)が代役を務める。扇雀が演じる予定だった傾城梅川は中村壱太郎(30)が代役となる。