東京オリンピック(五輪)の陸上代表を決める全米選手権で先週、金メダルが期待されていた女子100メートルのシャカリ・リチャードソンが、薬物検査で大麻の陽性反応が出たため、1カ月の資格停止処分となり、東京五輪に出場できなくなったことが大きな話題になっています。

多くのアスリートから「大麻に運動効果を高める効果はない」として禁止薬物に指定されていることに疑問を呈する声が上がる中、映画「40歳の童貞男」(2005年)や「グリーン・ホーネット」(11年)などで知られる、カナダ出身のコメディアンで俳優のセス・ローゲンが、「最も才能あるアスリートから資格を取り上げるなんて狂っている。恥ずべきだ」とSNSに投稿して反響を呼んでいます。

大麻愛好家として知られるローゲンは、「大麻で足が速くなるなら俺はフロージョー(女子200メートルの世界記録保持する世界最速のフローレンス・グリフィス=ジョイナー)になっている」ともツイートしており、スポーツ界のみならずエンターテインメント界をも巻き込んで大麻を禁止薬物から除外すべきかどうかの議論に発展しています。

リチャードソンは、大会の直前に記者から実の母親が亡くなったことを知らされ、そのショックから大麻を使ってしまったことをテレビ番組で告白して謝罪しているほか、大会のあったオレゴン州では大麻は合法であるため、法に触れる行為ではないことも多く人の支持を集めている理由です。

日本では違法薬物である大麻ですが、アメリカでは2014年に全米で初めてコロラド州で嗜好用大麻が合法になって以降、ここカリフォルニア州を含め18の州とワシントンDCで娯楽目的での使用が合法化しています。非常に厳しい日本とは違い、アメリカの多くの州で大麻はアルコールと同等の扱いとなっており、21歳以上の人は合法的に購入して楽しむことができます。ローゲンは、2019年に自身の大麻ブランドを立ち上げたほどの愛好家ですが、ハリウッドでは他にもあの人も? という意外な人まで大麻使用を公言しているセレブはたくさんいます。堂々と使用を公表しているセレブを紹介します。

マドンナ(16年撮影)
マドンナ(16年撮影)

◆マドンナ

マドンナはSNSで度々使用する様子を投稿しており、今年4月にも36歳年下の恋人と一緒に大麻を吸引する動画を投稿しています。動画では、大麻を使用しながら濃厚キスする姿もあり、煙を口移しする衝撃的な映像が話題になりました。また昨年、62歳の誕生日をジャマイカで祝った際にも、大麻をくわえながら大麻が盛られたトレーを手にする写真なども投稿しています。そんなマドンナの長男ロッコは、16歳だった2016年に大麻所持で逮捕されたこともありました。

◆ブラッド・ピット

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(19年)でアカデミー賞助演男優賞に輝いたブラッド・ピットは、人気絶頂期だった90年代にストレスから大麻を使用していたことをニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで明かしています。大学を卒業して以来、大麻やアルコール漬けだったというピットは、アンジェリーナ・ジョリーと結婚して子供を授かったことで、「子供たちのために大麻はやめた」と告白しています。

◆キャメロン・ディアス

現在は女優業から遠ざかっているキャメロン・ディアスですが、人気絶頂だった11年に高校時代に大麻を使用した過去を告白しています。高校時代から薬物の売人をしていたラップ歌手スヌープ・ドッグと同じ学校に通っていたというディアスは、「彼から大麻を買ったことがあった」とトーク番組で告白。07年に「チャーリーズ・エンジェル」シリーズ

共演したドリュー・バリモアとハワイのビーチでジョイント(紙巻ばこ状にしたもの)を楽しむ姿もパパラッチされています。

◆レディー・ガガ

レディー・ガガは、12年にオランダ・アムステルダムで行ったライブのステージ上で大麻を吸引して話題になったことがあります。アムステルダムでは大麻は合法で、客席からステージに投げられたプレゼントにジョイントとライターがあり、その場で火をつけて吸ったことが報じられていました。その後のインタビューでも、手術を受けた腰の痛みを和らげるために大麻を常用していることを明かし、1日15~20本の大麻たばこを吸うほど中毒であると告白。「有名人であることを忘れることができる」とプレッシャーやストレスからも大麻を使っていることを明かしています。

◆マイリー・サイラス

SNSのみならずステージ上でも大麻を吸う姿を度々披露してきたマイリー・サイラスは、大麻愛を公にしていましたが、19年に声帯の手術を受けたことを機に大麻をやめたと言われています。

ナタリー・ポートマン(08年撮影)
ナタリー・ポートマン(08年撮影)

◆ナタリー・ポートマン

若い頃は清純派として知られたナタリー・ポートマンですが、大学時代に大麻を覚え、常用していたことを過去のインタビューで明かしています。「ブラック・スワン」(10年)でアカデミー賞主演女優賞を獲得して演技派女優として高い評価を受け、結婚して2児の母となった現在は、「10時に布団に入るので、もう大麻を吸うことはできない。大麻はクールだと思っているけど、年を取りすぎちゃった」と卒業したことを明かしています。【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)