俳優舘ひろし(71)が今年4月に立ち上げた「舘プロ」に新しく5人の俳優、アーティストが所属し、13日、都内で会見が行われた。石原裕次郎さん、渡哲也さんが築き、支えてきた石原プロモーションのにおいがする、ファミリー感のある事務所を目指す。

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裕次郎さんの命日を4日後に控えたこの日、舘は「新しい仲間をご紹介できて幸せです。裕次郎さんの墓前にも『新しい仲間ができました』と報告したい」と笑みを見せ、渡さんの墓前でも報告したいとした。

舘プロ所属が決まったのは5人。石原プロモーション時代から一緒だった池田努(42)増本尚(21)に加え、舞台で活躍する小越勇輝(27)竹内夢(21)、シンガー・ソングライターのAnna(21)。会見にはドラマ撮影中の増本をのぞく4人が出席した。

舘はそれぞれを紹介して「これからは左うちわ」と笑わせ、「1つのファミリーとして1つ1ついい仕事ができればいい。そして、裕次郎さん、渡さんの夢だった映画のともしびを消さないようにやっていきたい」と話した。

池田は所属経緯を、舘の言葉を振り返りながら語った。石原プロ解散が決まったころに声を掛けられたそうで「『俺と一緒に来ないか。肩寄せ合ってやっていこうじゃないか』と言ってもらいました。ものすごくうれしくて、付いていこうと。他の選択肢はまったくなかったです」。

他の新所属メンバーも口々に、欠席した増本もコメントを寄せて舘への思いや尊敬を語ったが、舘は「僕からは学ばない方がいい。僕が刺激を受け、学ぶことばっかりです」と照れた。すでに各ジャンルで活動している俳優、アーティストであることを尊重し「僕ができることは、若者たちがもっと飛び立っていける環境をつくること」とした。

会見終了後、舘は「責任を感じますが、石原プロのにおいが残るような会社にしたい。コロナ禍が終わったらイベントなども楽しくやっていきたい」と期待を語った。【小林千穂】

 

○…石原プロモーションにはかつて、浅丘ルリ子ら女性が所属したこともあったが、長らく男性ばかりの事務所だった。女性が2人加わったことに舘は「石原プロは男ばっかりで暑苦しかったから、(雰囲気も変わって)いいかな」と笑った。

 

◆池田努(いけだ・つとむ)1978年(昭53)12月17日、神奈川県生まれ。舞台中心に活躍。特技は絵画、居合、乗馬など。昨年は映画「Fukushima50」出演。180センチ。

◆増本尚(ますもと・なお)1999年(平11)10月16日、静岡県生まれ。日大芸術学部在学中。歌とサッカーが得意。NHK大河ドラマ「麒麟がくる」では織田信興を演じた。

◆小越勇輝(おごえ・ゆうき)1994年(平6)4月8日、東京都生まれ。舞台「テニスの王子様」「刀剣乱舞」など出演。昨年「人狼ゲーム デスゲームの運営人」で映画初主演。

◆竹内夢(たけうち・ゆめ)1999年(平11)10月15日、北海道生まれ。舞台、NHK・Eテレ「おとうさんといっしょ」レギュラーなど。ギターが得意でアーティスト活動も。

◆Anna(あんな)2000年(平12)1月31日、群馬県生まれ。日本とロシアがルーツ。舘主演ドラマの主題歌「ひとりの世界」でデビュー。TikTokフォロワーは60万人。