世界中の選手にエール、バッハ会長には喝だ! 23日、いよいよ東京五輪が開幕。新型コロナウイルス感染拡大の影響で無観客開催と異例の大会になる中、代表選手ばりに身も心も鍛え、祭典を迎えるのがレスリングの五輪2大会銅メダリスト・浜口京子(43)と父でトレーナーのアニマル浜口氏(73)だ。今も50キロのバーベルで肉体強化する娘と、独自開発の鍛錬法で1億歳を目指すアニマルパパ。臨戦態勢の理由を聞くと…。

 浜口氏 いいぞ京子、いい体をしている。グッドシェイプだ~。デンジャラス京子だ! 五輪に臨むなら、鍛えないとな!

 ――あ、あの、京子さん、試合はないのでは…

 京子 今回、私は選手のみなさんについていろいろな形でお伝えする立場。オリンピアンとして何ができるか、気合が入ります。体を鍛えるのは、五輪、選手に対する私なりの礼儀なんです。今は選手と一緒に戦うくらいの気持ち。五輪が近づくと「私はやり残したことないかな」と考えるんですよ。練習もどんどん増える。

 ――さすが生涯現役だ。普段も鍛えているし、パパも「気合だ!」や呼吸法で己を律している。(編集注・人のいない場所で。練習も撮影時以外はマスクを着用)

 浜口氏 腹から声を出すと、不安、邪気、邪念が払える。心肺機能を高めれば、脳も活性化する! このジムには、プロレスラーを目指す道場生たちがいる。私に元気がなかったら、彼らはどうなりますか! 自分でジムをやっているのだから、私が元気だということを証明しないといけない。私はね、1億年生きるんですよ!

 京子 私は強く生きたいから。自分はオリンピアンで、レスラーでチャンピオンでもある。体力、気力を落としたくない。いつでも飛び出していける準備をしています。今も会長(浜口氏)と2人で戦っている。

 ――1年延期になった大会がついに開幕する

 京子 日本、世界の選手が、元気に五輪を戦ってほしい。なにより地球上のみなさんが、元気でいてほしい。そして子供たち。この間、スポーツをやっている少年少女が「最終聖火ランナーは誰だろう」とか、すごく五輪を楽しみに話していたんです。ああ、五輪を夢見るこの子たちに、選手の頑張りや気持ちが伝わればいいなと思います。

 浜口氏 選手たちは、いろんな困難、思うように練習できない悔しさを抱えてここまで来たと思う。必死に頑張る彼らを応援したい。苦悩、困難、すべてをエネルギーに変えてほしい。勝って、泣いて、喜んでね。

 ――開会式ではレスリングの後輩で女子50キロ級代表の須崎優衣(22=早大)が旗手。アテネ大会で京子さんも務めた大役だ

 京子 須崎さんは、吉村祥子コーチ(52)と一緒に浅草に来てくれたことがあるんです。非常にまじめでキュートな選手。勇姿を皆さんに見てもらいたいです。

 ――8月1日からのレスリング競技は、京子さんに本紙で評論家を務めていただく。見どころは

 京子 日本は男女とも各階級で世界のトップがそろいました。ハイレベルな試合は一秒たりとも目が離せません。マットの上では闘争心丸出しの野獣。でもマットを下りれば、まったく違う表情を見せる。そのギャップにも注目してほしい。

 浜口氏 不思議なんですがね、この間、笑いの10連発を小刻みに「ワッハ、ワッハ、ワッハッハ♪」とやっていたら、テレビで国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67)が映ったんですよ。「ワッハ」が「バッハ」になってね。「バッハ、バッハ、バッハッハ!… バッハ会長~! あなたがもっとしっかりしないと~! 喝ですよ! あ~バッハ、バッハ、バッハッハ~オイ!」 

 ――あ、ありがとうございました。引き続き、よろしくお願いいたします。

☆はまぐち・きょうこ 1978年1月11日生まれ。東京・台東区出身。14歳からレスリングを始める。95年世界選手権初出場。97年同初優勝。日本女子最重量級エースとして不動の地位を確立し、5度世界を制した。2004年アテネ五輪、08年北京五輪72キロ級で2大会連続銅メダル。12年ロンドン五輪11位。全日本選手権は史上最多の16度優勝を果たしている。

☆あにまる・はまぐち 本名・浜口平吾。1947年8月31日生まれ。島根・浜田市出身。69年、国際プロレスに入門。83年に新日本プロレスで長州力と維新軍を結成し大ブレーク。ジャパンプロレス、全日本プロレスでも活躍した。88年、東京・浅草にアニマル浜口トレーニングジムを設立し、プロレスラーを目指す若者の指導に当たる。長女・京子のコーチとしてレスリング世界一に導いた。