菅田将暉(28)が5日、都内の新宿ピカデリーで行われた山田洋次監督(89)の新作映画「キネマの神様」(6日公開)公開記念舞台あいさつで、永野芽郁(21)が同監督をメロメロにしたと明かし「恐れ多い」とたたえた。

菅田は劇中で、撮影所で助監督を務めるゴウ、永野は撮影所近くの食堂の娘淑子を演じた。RADWIMPS野田洋次郎(36)演じる映写技師のテラシンとの、若い男女の甘酸っぱい青春物語は映画の大きな見どころだ。菅田は永野について聞かれると「かわいいのは知っていたけれど、本当に山田さんもメロメロ。山田洋次もメロメロにするんだと恐れ多かった」と笑みを浮かべて振り返った。山田監督も「とてもかわいらしい…とても重要なこと」と照れ笑いを浮かべた。

一転、現代のシーンで歌手沢田研二(73)が演じたゴウは、ギャンブル漬けで借金まみれ、飲んだくれてばかりのダメおやじに成り下がる。宮本信子(76)演じる淑子は妻になっており、寺島しのぶ(48)演じる娘の歩にも見放されている。山田監督は、今回の映画が2008年(平20)に亡くなった妻よし恵さんへのラブレターのようなものか? と聞かれると「困ったね。ありますと言えないけれど…そうですね」と否定しなかった。

妻に映画監督という仕事で負担をかけたかと思うか? と聞かれると「映画監督という仕事が、奥さんにどうのこうのということじゃないけれど、どんな夫婦にもあること」と口にした。その上で「いろいろな夫婦の形があるけれど、僕個人のことで言えば、仕事の陰には妻がいた。妻がいたから、ここまで仕事をやって来られた。妻の名前は表面に出ないけれど…妻は、とっくに、この世から消えていますけれど、彼女がいたからこそ出来たという思いがあります」と感謝した。

菅田は舞台あいさつの最後で「これからの未来を生きる上で、昔のことを知るということが1つ、大事なことなんだなと思って撮影に臨ましていただきました。その中で、今の自分の仕事というもの、映画というものが、こんなに格好良くて、自分のしんどかったり、大変だったりするこの日々に、すごく誇りを持てるようになりました。そんな映画です」と映画を評した。