地球上の芸能人で唯一、五輪マラソン完走経験を持つと称している元カンボジア代表のチュマー(ねこ)ひろしこと、猫ひろし(44)が8日、YouTube「チャンネル猫ひろし」の生配信で、東京五輪の男子マラソンとともに室内でランニングマシンを使って走った。

この日、44歳の誕生日を迎えた猫は東京・神保町のランニング専門ジム「ハイテクタウン」で、空気で体を持ち上げて体重負荷を半減させる定価550万円のランニング強化マシン「ドリームハンター」を使ってスタートした。

猫は走りながら「昇竜拳!」「ラッセ~ラ、ラッセ~ラ!」「ポーツマス、ポーツマス!」などと自身のギャグを連発。

札幌で行われている東京五輪の男子マラソンでは、世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ(ケニア)が2時間8分38秒で独走優勝。日本代表の大迫傑(30)が6位入賞すると、猫は走りながら拍手を送った。

37キロ地点でマシンがいったんストップしたが、猫は「残り5キロ、2時間半を目指す」と再スタート。激走しながら「猫ひろし、39キロ地点!」と叫ぶと、現場のスタッフが「ひ~ろし~、た~きざき~、カンボジア!」と日本名の瀧崎邦明と芸名の猫ひろしを掛け合わせたコールで声援をおくった。

猫は残り1・5キロ地点で、00年のシドニー五輪で優勝した高橋尚子氏をまねて、掛けていたサングラスを捨ててラストスパート。ラスト200メートルはマシンを時速20キロに設定して激走に次ぐ、激走をして「猫ひろし!」コールの響く中、両手を高々と掲げて2時間29分36秒でゴールした。

猫は「お疲れさまでした」と笑顔。「リオ五輪は2時間45分55秒。今回は2時間29分36秒でトイレに2回行っています」と言うと、スタッフが「実際に走っていたのは2時間16分くらい」と説明。猫は「(本物の男子マラソンだと)70位くらいかな。大迫選手、中村選手、服部選手おめでとうございす」と完走した日本代表の大迫傑、中村匠吾、服部勇馬にエールを送った。

そしてスタッフが「ハッピーバースデイ」を歌う中、サプライズで誕生ケーキが登場すると、笑顔で顔を突っ込んで「ありがとうございました。皆さん、本当にお疲れさまでした。ドリームハンターの威力で走りましたが、それでも(優勝の)キプチョゲには及ばなかった。今日で東京五輪は最後ですがお疲れさまでした」と、昨年発表した楽曲「ネコネコニャーゴ~猫ひろし第1体操~」に合わせて踊った。

最後に「今日は東京五輪のマラソンを応援しながら、裏でドリームハンターで負荷を半減してフルマラソンを走ったけど、次は(10月の)東京マラソンを目指す。芸人としても頑張りますので応援をよろしくお願いします。ありがとうございました。俺を煮るなり、焼くなり好きにしろ! ニャ~!」と配信を終えた。

生配信では、猫のチャレンジに賛同するスポンサーを次々と紹介。芸人仲間のチェリー吉武(40)が実況した。ファンから“投げ銭”機能を使った応援が寄せられている。

猫はスタート前に「体重が30キロくらいの感じがする。リオのタイムが2時間45分55秒でした。それを1秒でも超します。もしかしたら世界記録が出るかもしれません。このままで行けば、2時間30分が出るかも知れません」と話していた。

◆猫ひろし(ねこ・ひろし)1977年(昭52)8月8日、千葉県市原市生まれ。00年(平12)年に目白大卒後、芸人に。07年4月28日結婚。11年2月長女誕生。11年11月9日、ロンドン五輪マラソン代表を目指してカンボジア国籍に。カンボジアでの愛称はチュマー(猫)ヒロシ。16年8月21日、リオ五輪男子マラソンにカンボジア代表として出場。155人出走で140人完走の139位。自己ベストは2時間27分48秒。147センチ。血液型A。