【東スポ音楽館】デビュー30周年を迎えた演歌歌手・大石まどかがシングル「茜の炎」(作詞・及川眠子/作曲・幸耕平)で、新たな世界に挑戦している。ボーナストラックには同じ事務所のダンディ坂野とのデュエットソング「愛が生まれた日」を収録。レコーディング秘話を聞いた。

 ――新曲はどんな作品

「歌詞の1行目にある“今さら恋なんて、いらないと思ってた”という、女性が再び恋心を燃え上がらせるような相手に出会う。そんな大人の純恋歌です。タイトルは直球演歌のようですが、ボサノバやジャズのテイストが感じられる歌謡曲に仕上がっています」

 ――演歌とはひと味違った楽曲に挑戦しようとしたきっかけは

「バンドスタイルで構成する『生ラ!』というライブを定期開催しているのですが、そこでは演歌だけでなく、ポップスやジャズスタンダードも歌っているんです。その会場に、作曲の幸耕平先生をお招きした際、『大石まどかって演歌じゃなくてこういう曲の引き出しもあるんだ』とご理解をいただけたことがきっかけだったのかな、と感じています」

 ――ボーナストラックが藤谷美和子と大内義昭の「愛が生まれた日」ですが、ダンディさんとデュエットのきっかけは

「ダンディ坂野さんがご自身のユーチューブチャンネル『だんさかチャンネル』で80年代の歌謡曲やポップスをカバーされているということを知り、デュエットしていただけないかなとひらめいてオファーを差し上げました」

 ――ダンディさんはかなり歌が上手でしたね

「レコーディングの日に合わせて、何度もボイストレーニングをしてくださって、万全の状態で臨んでくださいました。『愛が――』は、ハモりも男性側ですし、オクターブのアップダウンも男性の方が大変です。もともと、ダンディさんは深みのある低音の声質をお持ちなので、直前までパートの一番高い音程を出せるかどうか、スタッフを含めて気にしていたのです。でも、ダンディさんは『高いキーで歌う方が曲としての魅力があるから』とおっしゃって、見事に高いキーで歌い切ってくださいました。歌に対する真摯な姿勢を目の当たりにして、尊敬と感謝の気持ちでいっぱいです」

 ――ファンへのメッセージをお願いします

「振り返ると、あっという間のような、長い年月のような不思議な感覚です。30年という月日、歌手として歌ってこられたのは、ひとえに応援してくださるファンのみなさまのサポートあってのことです。今年こそはみなさまの前に立って歌う機会が増えるように願ってやみません。これからも大石まどかへの温かい応援、お力添えの程よろしくお願いいたします!」