ノーベル文学賞も受賞したフォーク界、ロック界の〝神様〟ことボブ・ディラン(80)が1965年に性的虐待を受けたとする女性から、損害賠償を求める訴えをニューヨーク市の裁判所に起こされたことが16日(日本時間17日)明らかになった。CNNなど米国複数メディアが報じた

 原告の女性(68)は13日に提出した訴状の中で、12歳だった56年前の1965年4月から5月にかけて、何度かにわたり性的に虐待行為を受けたと訴えている。

 この時期はディランがエレクトリックバンドをバックにつけた名作「ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム」(3月発売)を発表した直後で、まさに黄金時代に入ろうとしていた時期だった。同年4月下旬から5月上旬までは、伝説の英国ツアーに出ていた。

 USAトゥデイ紙によると、ディランの広報担当は同紙に声明を寄せ、ディランは女性の訴えについて事実に反すると主張しており、徹底反論する方針だと説明。さらには56年前に起きたという訴えは真実ではなく、裁判で反論していく方針だという。

 現在、コネティカット州グリニッチに住む原告の女性は本名を明かさず「J.C.」と名乗っており、訴状の中で、今も続く「深刻で重い心の痛みや苦しみ」を被ったと主張している。損害賠償額は明かされていない。