人気アニメ「ガンダム」シリーズの劇場版「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」(村瀬修功監督)のトークイベントが8月19日、新宿ピカデリー(東京都新宿区)で開催され、原作小説のキャラクターデザイン原案の美樹本晴彦さん、メカニカルデザイン原案の森木靖泰さんが登場。原作小説の担当編集だったKADOKAWAの井上伸一郎さん、アニメを手がける小形尚弘プロデューサーと共に、小説のメカデザイン秘話を語った。
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「閃光のハサウェイ」は、1989~90年に富野由悠季監督が発表した小説が原作。担当編集だった井上さんは、森木さんがメカニカルデザインを手がけることになった経緯を「『イクサー1』『ゼオライマー』などの森木さんに頼んだら、すごく面白くなるはず。サンライズの植田益朗さんに荻窪駅の公衆電話でお願いしたら『任せるよ!』という話でした」と明かした。
森木さんは当時「やっとガンダムできるんだ!」と喜んだが「オーダー表にミノフスキー・フライトで飛ぶ、武器はファンネル・ミサイルで……とあって、どうしよう!?となった」と悩んだという。
デザインについて「30年後にアニメになると思っていなかったので “俺節の最強のガンダム”を描いていました。一応、連邦、ジオンの感じは残そうとしていた。おもちゃとは違うやり方ですよね。何となくガンダムの中にいてもいいかな?と。Ξ(クスィー)ガンダムはガンダムの延長線上、ペーネロペーは違うものと、紙に描いているうちに出来上がった。今だったら違うものになっていると思います」と明かした。
小説が完成する前にデザインを発注されたこともあり、分からないことも多かった。「(Ξガンダムとペーネロペーが同じ)アナハイムで作っているとか大前提を知っていたわけではない。小説を読んでいません。ここまできたら読まずにいこうと思っている」と語った。
Ξガンダム、ペーネロペーは、これまでにゲーム用としてデザインがリファインされ、フィギュアなどの立体化もされてきた。「ゲームに出てくるからリデザインした。後で、ペーネロペーのフライト・ユニットが分かれると言われたけど、そんなことを考えていなかった」という。
森木さんはアニメ「閃光のハサウェイ」に作画監督として参加した。「料理のシーンです。料理作監をしました。今後も料理があればやれるかな?」と話し、「小説でデザインした時はアニメになることを想定していなかった。よくここまで動かしたな……。本当にありがとうございます!」と喜んだ。
「閃光のハサウェイ」は、宇宙世紀0105年を舞台に、第二次ネオ・ジオン戦争で苦い別離を経験したブライト・ノアの息子ハサウェイが新型モビルスーツ・Ξガンダムを駆って、地球連邦政府に反旗を翻す姿を描く。アニメは「虐殺器官」の村瀬さんが監督を務める。全3部作。興行収入が20億円を突破するなどヒットしている。
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