柄本佑(34)が25日、東京・スペースFS汐留で行われた映画「先生、私の隣に座っていただけませんか?」(堀江貴大監督、9月10日公開)完成報告会で、不倫を題材に描いた映画ながら「ファミリームービー? それくらい不倫を健康的に描いている」と絶賛した。

映画は、黒木華(31)演じる漫画家の早川佐和子の、新作漫画のテーマが不倫で、佐和子と柄本演じる夫の俊夫と似た夫婦が描かれていた。利夫は、奈緒(26)演じる佐和子の担当編集者・桜田千佳と不倫しており、漫画をのぞき読みして以降、精神的に追い詰められていく。さらに物語は、佐和子を投影した主人公が、金子大地(24)演じる自動車教習所の先生・新谷歩を投影したようなキャラクターとの淡い恋へ急展開。漫画は、完全な創作か、ただの妄想か、不貞に対する、佐和子流の報復なのか…恐怖と嫉妬に震える俊夫は、現実と漫画の境界が曖昧になっていくという物語。撮影は、ちょうど1年前に行われた。

柄本は演じた利夫の役作りについて「物語の中で100(%)悪い。でも見終わった観客が悪いよね、じゃなく、逆に親しみがあり、しょうがないな、頑張れよ、といったところに監督が持っていきたいということ。明らかに不倫に向いていない、ばか正直な男としてやれば、監督のおっしゃるのに近づけるのかなと」と語った。黒木が「何か…私は結構、チャーミングだなと思いましたね。本当に(不倫に)向いてないじゃないですか。右往左往している姿が、かわいらしい」と笑うと、柄本は「憎めないだろ?」と苦笑した。

その上で、柄本は「黒木さん(演じる女性)が、とある決断をした時に突き進んでいく女性の強さと爽快さ…。ドロドロの要素はたくさんあるけれど、そこを突き詰めずに別の形で行く、王道の方向に監督がやって行きたかったんだと思う。デトックス効果のある映画」と映画について熱く語った。

奈緒が「私、この映画だったら、不倫を題材にしていても、家族で見られる」と口にすると、司会は柄本に「家族で見に行っても大丈夫?」と聞いた。柄本は安藤サクラ(35)と12年に結婚し、17年に第1子が誕生しているが「全然、いいんじゃないですかね? ファミリームービー? ファミリームービーではないけれど…そのくらい不倫を健康的に描いている。不倫を題材にして、ここまで気持ちいい作品は、あまりないと思う」と語った。そして最後に自身が考えたキャッチフレーズ「爽快快活健康的不倫ムービー」を声を大にして口にした。