豊島将之叡王(竜王=31)に藤井聡太王位・棋聖(19)が挑戦する第6期叡王戦五番勝負第5局が13日、東京・将棋会館で行われ、挑戦者の藤井王位・棋聖が111手で勝利。羽生善治九段の22歳3か月の史上最年少記録を大幅に更新する19歳1か月での3冠となった。

 2勝2敗で迎えた最終局は中盤まで互角の展開。しかし、藤井王位・棋聖が徐々にリードを広げ、終盤鋭い切れ味を見せて鮮やかに寄せ切った。

 史上最年少3冠となった藤井新3冠は「記録は意識していなかった。これからの対局が続くので前を向いて行きたい」と淡々と語った。

 これで“天敵”と言われた豊島竜王との対戦成績は8勝9敗とほぼ互角に。棋士の間では「渡辺名人、豊島竜王でダメならもう番勝負で勝てる棋士はいないのでは」といった声も出ている。

 また棋聖戦で敗れた渡辺明名人はユーチューブ番組に出演し「勝てるパターンがどんどん減っている」と苦笑しながら話していたほどで現在ほぼ無双状態。藤井新3冠は竜王戦挑戦が決まっている他、王将戦、棋王戦の挑戦の可能性があり、最大で今期6冠となることもある。

 まずは10月8日から始まる竜王戦七番勝負での豊島竜王との戦いに注目だ。