ソフトバンクのロマン砲・リチャード内野手(22)が26日、日本ハム戦(ペイペイ)の7回に決勝弾を叩き込んだ。8回にも犠飛で貴重な追加点をもたらし、4―1の勝利に大きく貢献。4位からの逆襲を目指す王者のいまや救世主的存在で、勝率5割復帰の立役者となった。

 かねて大物感漂う言動と、スターの資質である〝持ってる〟ぶりを発揮してきたリチャード。この日もスター性を感じさせた。試合前に直接指導を仰いだ王貞治球団会長(81)に報いる活躍だったのと同時に、鷹の総帥に強烈なインパクトを与えたからだ。

 この日は、孫正義オーナー(64)が観戦に訪れた「御前試合」。そんな特別なゲームで、勝負を決める一発だった。試合後は孫オーナーから直接「ナイスホームラン」とねぎらわれ、グータッチを交わした。

 世界的経営者で本業が多忙な総帥だけに、この日が初対面。「優しそうな方でした。来ている時に打ててよかったです。名前を覚えてもらったと思います」。御前試合は年間数えるほど。ゆえに〝持ってる〟ぶりは顕著だった。「世界の王」をとりこにする22歳は「世界の孫」をも魅了するスラッガーを目指す。