東京都の緊急事態宣言最終日の30日、歌手で俳優の中村雅俊(70)が全国4都市ツアー「ビルボードクラシックス 中村雅俊 Symphonic Live 2021~Before DAWN~」の最終公演を東京・渋谷のBunkamuraオーチャードホールで行った。デビュー48年目で初めて60人近いフルオーケストラと共演。自身のヒット曲「ふれあい」「俺たちの旅」「恋人も濡れる街角」など、全14曲を壮大な演奏をバックに熱唱した。

「コロナ禍で大型台風が近づいている中、本当によくいらっしゃってくださいました」。今年2月で70歳になった。「俺もいい年になりました。(ドラマの)デビュー作(日本テレビ『われら青春!』)が先生役で、先生役の人は(歴代)歌を出すと決まっていて『ふれあい』という曲でデビューしました。それが47年前です」と振り返った。

「歌手になると夢を持つんですね。最初の夢はNHK『紅白歌合戦』にでること。2番目が武道館でコンサートをやること。これはビートルズが66年にやったからですね。3つめの夢は、これ。フルオーケストラで歌を歌うなんて、夢のまた夢で、今、俺は夢の中にいる感じです。皆さんも一緒に夢を見ましょう」と笑顔を見せた。

途中、「俺たちの旅」の前には主題歌となった、75~76年日本テレビ系の主演連続ドラマ「俺たちの旅」の場面シーンの音声が流された。中村は「オリコンの1位になりそうだって聞かされたんだけど、フタを開けてみたら2位。1位は『およげ!たいやきくん』で、初登場からずっと1位でした」と笑った。

アンコールの最後を75年に故松田優作さんとダブル主演した75年の日本テレビ系のドラマ「俺たちの勲章」主題歌だった「いつか街で会ったなら」で締めくくると、2000人近い観客は総立ちで拍手を送った。

10月1日からはデビュー以来のシングル55曲の全世界への配信が始まる。