新型コロナウイルス対策で、19都道府県に出されていた緊急事態宣言と、8県のまん延防止等重点措置が、30日の期限をもってすべて解除されることが決まった。解除されても、コンサートなどイベントの開催については、しばらくは収容人数の上限を5000人、または定員の50%以内に制限されるという。大規模施設については上限を1万人としている。

いずれにせよ、コンサートなどが今まで以上に動きだすのは間違いない。感染の再拡大という懸念はもちろんあるが、エンターテインメントにとっては、喜ばしいことだ。

9月下旬に、長渕剛(65)とアイドルグループの関ジャニ∞が、相次いで久々の有観客ライブツアーを発表した。長渕は約2年ぶりで12月上旬から、関ジャニは約1年9カ月ぶりで11月末からスタートする。緊急事態宣言などが解除される方向性はすでに出ていた時期の発表だったが、いずれも新型コロナウイルス感染防止策を徹底して、開催するとしてる。

久々の有観客ライブについてインタビューに応じた長渕は「僕自身は、コロナであろうがなかろうが、いつでも(ツアーを)やりたいという思いはあるんですけど、やはり社会の状況とかありますから」と、2年間開催を断念してきた心情を素直に語った。今回はギター1本で約2時間のアコースティックライブとなり、タイトルは生まれ変わりや再生を意味する「REBORN」(リボーン)。長渕のライブは熱狂的なファンが集うことで有名。こぶしを突き上げ、長渕の名前を連呼し大合唱するなど、その熱量は圧倒的だ。

ただ緊急事態宣言が解除されても、残念ながらソーシャルディスタンス、マスク着用、大声禁止などが全面解禁とはならない。熱気は封印せざるを得ないだろうが、長渕は「やってみないと分からないが、(自分もファンも)ストレスのかかる状況でどういうふうになるか楽しみたい」と話している。

いつかは普通に戻るのだろうが、今回の長渕のライブはタイトル通り、生まれ変わったステージを目撃できるかもしれない。いずれにせよ、また緊急事態宣言とならないように、アーティスト側もファン側も、気を緩めずに、ライブを満喫しよう。【笹森文彦】