大好きな先輩へ〝粋な計らい〟を見せた。日本ハムの杉谷拳士内野手(30)が3日に、この日のイースタン・リーグDeNA戦(鎌ケ谷スタジアム)で二軍戦の引退登板を行った斎藤佑樹投手(33)へ、感謝の心遣いを見せた。

 この日の6回からマウンドに上がった斎藤。登場時、グラウンドには、右腕が早実時代に夏の甲子園で優勝を果たした2006年時の「熱闘甲子園」(テレビ朝日系)のテーマソング「スフィアの羽根/スキマスイッチ」が流れた。高校球児にとっては、自身が現役時の同番組のテーマソングは思い入れが深くなることでも知られ、同曲もまた、斎藤にとっては大切な一曲。球場も感動的な空気に包まれた。

 この粋な演出はどのようにして行われたのか。斎藤は照れ笑いを浮かべながら「今日の登場曲は、いつも通りでいいと言ったんですけど、杉谷拳士が『最後この曲でいきましょう』と変えてくれたので、じゃあ任せるよと(伝えた)」と告白。公私ともに仲の良い後輩が〝演出家〟となり、感動のワンシーンを作り上げたようだ。

 試合後にも杉谷の〝佑ちゃん愛〟は止まらない。囲み取材を受けている斎藤の後ろをニコニコしながら通ると、自前のカメラでその後ろ姿を激写。最後の最後まで、先輩の晴れ舞台を記録に収めようとする、後輩の思いが垣間見えた一日だった。