西武は8日、11日に迫ったドラフト会議に向けた編成会議を一部オンラインで行い「九州のドクターK」隅田知一郎(ちひろ)投手(22=西日本工大)の1位指名を公表した。

 会議終了後、取材に応じた渡辺久信GM(56)は「今年は今のウチの戦力を鑑みた中でこのピッチャーしかいない。西日本工業大学の隅田投手で行きます」とコメント。昨年の早川隆久投手(早大=現楽天)に続く2年連続での即戦力左腕指名をドラフト会議の3日前に公にした。

 同GMは隅田の評価について「今年のリストに挙がった選手の中では1位の評価。満場一致です。投手としてのポテンシャルの高さもありますし、ゲームをしっかり支配できる。しっかりゲームを作れる」と近年の西武先発陣の変わらぬ課題を口にした。

 最速150キロの速球にツーシーム、スプリット、チェンジアップなど多彩な変化球を操る隅田は6月の全日本大学野球選手権では1回戦の上武大戦で毎回となる14三振を奪って完投(結果は0ー1の敗戦)。渡辺GMは「ランナーを出した時にも切り抜ける術を持っている。ピッチングができる投手なので総合的な評価で彼に決めました」とその魅力を語った。

 チーム防御率が4年連続してリーグワーストに低迷する投手陣再建に向け良質な先発投手の補強は急務。その中でも18年オフに菊池雄星投手(マリナーズ)がメジャー移籍して以降、先発ローテーションに定着する左腕はおらず、チームの泣き所をなんとか隅田で埋めたいところだ。

 なお西武が1位指名を公表したのは一昨年の佐々木朗希投手(大船渡=現ロッテ)以来2年ぶりとなった。