新日本プロレス9日大阪大会「G1クライマックス」Aブロック公式戦で、前年度覇者の飯伏幸太(39)がグレート―O―カーンを下し6勝目を挙げた。

 互いに格闘技のバックボーンを持つ両雄の初シングルマッチは、緊迫の攻防が続いた。くしくも1995年10月9日の「新日本プロレス対UWFインターナショナル全面対抗戦」からちょうど26年。飯伏はロープワークも得意の飛び技も使うことなく、オーカーンと打撃と関節技の応酬を展開した。猪木―アリ状態からアリキックを放ったかと思えば、26年前に武藤敬司が高田延彦を破った足4の字固めも繰り出していく。

 さらに掌底のラッシュからソバットを決めた飯伏はボマイェを発射。オーカーンのアンクルホールドを延髄蹴りで脱出すると、タックルに強烈なカウンターの膝を合わせる。必殺のカミゴェを鷲掴みにされると、エリミネーターの要領で持ち上げられるが、左膝を顔面に叩き込み回避。最後はついにカミゴェをクリーンヒットさせて3カウントを奪ってみせた。

 他の2敗勢よりも試合消化数が多い飯伏だが、勝ち点12は現段階でBブロック単独首位。試合後のリング上では「グレート―O―カーン、面白いよ。今日は久々に〝岡〟と再会できて良かったよ。これで僕は4勝目(注・実際は1つの不戦勝を含み6勝目)。優勝決定戦に行けることが、少し、少しだけど見えてきました」と、盛大に自身の勝利数を間違えつつ、4年連続の優勝決定戦(21日、日本武道館)進出へ意欲を燃やした。

 バックステージでは「すごいんじゃないですか、本当に。あのレスリングテクニック。すごかったですよ、圧が。打撃ではね、負けなくてもやっぱり。久々に体重さも感じましたね。競技としてのプロレスができたというか」とオーカーンを高く評価。

 その上で「一番言いたいのは〝10・9〟。1995年、10月9日、第1試合から僕は最高に楽しんで、プロレス。その時の感覚に戻ったというか。この1勝は大きいです。いやあ、すごかった。あとはもう落とせない。最高に楽しめましたよ、はい」と、独特の緊張感をまとった公式戦を制したことに手応えをアピールしていた。