21年秋ドラマ:朝ドラヒロイン経験者続々 「おちょやん」後初の杉咲花 吉高由里子、比嘉愛未、杏、芳根京子…

2021年秋ドラマに出演する(左から)芳根京子さん、杉咲花さん、吉高由里子さん
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2021年秋ドラマに出演する(左から)芳根京子さん、杉咲花さん、吉高由里子さん

 “秋ドラマ”と呼ばれる10月期の連続ドラマがいよいよ本格的にスタート。見渡してみると、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)のヒロイン経験者が数多く出演していることに気づかされる。6日に始まった「恋です!~ヤンキー君と白杖(はくじょう)ガール~」(日本テレビ系)で主演を務めているのが、2020年度後期の「おちょやん」での好演も記憶に新しい杉咲花さん。10日から始まる「日本沈没-希望のひと-」(TBS系、日曜午後9時)には、「どんど晴れ」(2007年)の比嘉愛未さんと、「ごちそうさん」(2013年)のさんが出演する。ここでは、秋ドラマを彩る朝ドラヒロインたちの役どころと作品を紹介していく。

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 ◇杉咲花は弱視のヒロイン 第1話から称賛の声

 杉咲さんが主演する「恋です!」は、勝ち気だが恋に臆病な盲学校生・赤座ユキコ(杉咲さん)と、ケンカっ早いが根は純粋なヤンキー・黒川森生(もりお、杉野遥亮さん)の繰り広げるラブコメディー。ある日、森生と出会い、なぜかまとわりつかれるようになったユキコは、初めは冷たい態度をとるものの、次第に森生の真っすぐさに惹(ひ)かれていく。

 杉咲さんにとって「おちょやん」後初の連ドラ。弱視のヒロインという役どころを含めて、改めて実力が試される“試金石”ともいうべき作品だと思えるが、第1話からSNSでは「弱視の演技、すごく難しいだろうに、すっと入ってきてしまった。杉咲花すごすぎるよ」「杉咲花もステージが上がり、泣ける名作の予感」など称賛の声が続々と上がっていた。

 まだ、第1話がスタートしたばかり。物語としては今後、ユキコと森生がどのような恋模様を見せてくれるのか、楽しみだ。

 ◇吉高由里子は「リバース」スタッフが描くオリジナルラブサスペンスに

 朝ドラヒロイン経験者で、杉咲さんと同じく主演を務めるのは、吉高由里子さん。10月15日スタートの連続ドラマ「最愛」(TBS系、金曜午後10時)で、主人公の女性実業家・真田梨央を演じる。

 ドラマは、殺人事件の重要参考人となった梨央、梨央の初恋相手で事件の真相を追う刑事の宮崎大輝(松下洸平さん)、梨央の弁護士・加瀬賢一郎(井浦新さん)の3人の姿を描くオリジナルのラブサスペンス。脚本の奥寺佐渡子さんと清水友佳子さん、新井順子プロデューサー、演出の塚原あゆ子さんと、2017年4月期に放送された「リバース」(同局系)のスタッフが再集結して制作する。

 吉高さん演じる梨央は、「世界を変える100人の30代」に選ばれるなど、世間から注目を浴びている会社社長だったがある日、15年前に過ごしていた田舎町での失踪事件と、現代の殺人事件との関わりを疑われ、一連の事件の重要参考人となってしまう。

 謎が謎を呼ぶ展開で、「誰が犯人か?」とSNSで話題になった「リバース」のスタッフが結集するオリジナル作だけに、今作も大きく盛り上がりそうだ。

 ◇比嘉愛未、杏はそろって「日曜劇場」に

 10日スタートのTBS系「日曜劇場」枠の連続ドラマ「日本沈没-希望のひと-」に出演する、比嘉さんと杏さん。比嘉さんは、小栗旬さん演じる主人公の環境省官僚・天海啓示の妻の香織を演じる。一人娘・茜の持病を気にかけ、娘のことを第一に考えている。啓示との関係は悪くはないが、仕事にまい進して家庭を顧みてこなかった啓示と向き合うために別居中……という人物だ。

 杏さんは、週刊誌記者の椎名実梨(みのり)を演じる。大きなスクープをあげるべく、環境省の腐敗を暴こうと必死に取材を続けている中で天海と出会い、初めは疑いの目を向けるも、徐々に信頼関係を築いていく。

 ドラマは、1973年に発表された小松左京さんのSF小説「日本沈没」をアレンジして、2023年の東京を舞台に環境問題を描く。これまで何度も映像化されてきた名作を豪華座組でアレンジし、日曜劇場で放送するとあって、放送する前から大きな話題を呼んでいる今作だが、比嘉さんと杏さん演じる2人が、物語にどういった影響を及ぼすのか楽しみだ。

 ◇芳根京子は西島秀俊の“相棒” 井上真央は熱血塾講師に

 「日本沈没」と同じく10日からスタートする、西島秀俊さん主演の「真犯人フラグ」(日本テレビ系、日曜午後10時半)には、芳根京子さんが出演する。ドラマは、2019年に同枠で放送された人気ドラマ「あなたの番です(あな番)」シリーズで企画・原案を手掛けた秋元康さんをはじめ、同シリーズのスタッフが再集結して送る完全オリジナルの“予測不能のノンストップ考察ミステリー”が、2クールにわたって描かれる。

 芳根さんは、突如失踪した愛する妻子を取り戻すため真実を追う主人公・相良凌介(西島さん)の会社の部下で、共に真実を暴いていく“相棒”となる二宮瑞穂を演じる。男女コンビとして、2クールにわたるドラマでどのような物語を西島さんと紡いでいくのか、期待が高まる。

 16日スタートの柳楽優弥さん主演の「二月の勝者-絶対合格の教室-」(日本テレビ系、土曜午後10時)には、井上真央さんが出演。ドラマは、中学受験を描き、そこから見えてくる「家族問題」「教育問題」など、現代社会のさまざまな問題にも切り込む。

 井上さんが日テレのドラマに出演するのは約8年ぶり。今作では、熱血な塾講師、佐倉麻衣を演じる。過激な言動が目立つが「絶対に全員志望校に合格させる」というスーパー塾講師・黒木蔵人(柳楽さん)に何かと反発するものの、黒木との関わりを通して、成長していくという役どころだ。当初20年7月期の放送を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて放送を延期していた。いよいよ、今週スタートする。

 ◇貫地谷しほりはさまざまな悩み持つ30代教師 山口智子は初挑戦の牧師

 9日にスタートした、神尾楓珠さん主演の「顔だけ先生」(東海テレビ・フジテレビ系、土曜午後11時40分)は、貫地谷しほりさんが出演している。問題が山積みの私立菊玲学園高等学校を舞台に、超自分至上主義者だが顔だけはいい“顔だけ先生”の非常勤講師・遠藤一誠(神尾さん)が繰り広げる学園コメディー。

 貫地谷さんは、真面目で責任感が強い、生徒思いの33歳の生物教師・亀高千里役で、管理職としての職場ストレス、将来への不安……など現代女性が抱えるさまざまな悩みを持つ人物を体現している。教師らしいことを一切しないが、時には生徒の人生観を変えるような一言を放つ、一誠との出会いで、千里に変化があるのか、楽しみだ。

 9月にスタートした亀梨和也さん主演のNHKの連続ドラマ「正義の天秤」(総合、土曜午後9時)には、山口智子さんが出演している。自身初挑戦の牧師役で、ドラマの展開に大きな影響を与える、冨野静子を演じている。ドラマは、天才弁護士・鷹野和也(亀梨さん)が、冤罪(えんざい)の悲劇に苦しみながらも、数々の難事件の真相を暴き、事件に関わる人々の魂を救う本格法廷ミステリー。

 朝ドラヒロインを経験して、数々のドラマで活躍する女優陣。地上波以外にも、WOWOWで11月から放送される「連続ドラマW いりびと-異邦人-」では高畑充希さん、「前科者」では有村架純さんがそれぞれ主演する。まだまだ自粛ムード漂う世の中。秋の夜長に、彼女たちが紡ぐ物語は欠かせなくなりそうだ。

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