最終章となる「第3部・気仙沼編」に突入している清原果耶さん主演の連続テレビ小説(朝ドラ)「おかえりモネ」(NHK総合、月~土曜午前8時ほか)。10月末の最終回に向けて物語は佳境を迎えようとしているが、ここまで“ヒロインの母”を好演してきたのが女優の鈴木京香さんだ。鈴木さん自身もちょうど30年前に放送された1991年度の朝ドラ「君の名は」でヒロインを経験。朝ドラのイメージは今も昔も「学校」といい、30年たった今も「学びの心」を忘れずに臨んだ「おかえりモネ」の撮影の日々を振り返ってもらった。
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清原さん扮(ふん)するヒロイン・永浦百音(モネ)が、どこにいようとも優しく見守って来た母・亜哉子。役を演じた鈴木さんは亜哉子という人物の特徴に「包容力」を挙げている。
「亜哉子は包容力のある女性で、竹下景子さん演じるお義母さんを尊敬し、『ああいう母になりたい』『温かい家庭を築きたい』を一番の願いに生活し、子育てに励んできたと思います」
一方で、台本を読んだとき、「亜哉子は包容力があってたくましい女性ではあるのですが、明るくて天真らんまんなお母さんとは『ちょっと違うな』と思った」という鈴木さん。
「亜哉子は震災を経験して、亜哉子なりに悲しみ、傷ついているというのもありますし、ドラマでは(内野聖陽さん演じる)耕治さんとのなれ初めが描かれましたが、実は永浦家のような明るい家庭で育ったわけじゃないという裏設定もあったりして。全てが全て、素直に楽しくやっているというよりかは、努力してみんなの心に飛び込もうとしている女性のような気がしました。亜哉子は『全ての人の気持ちは自分と同じ』という感覚ではいられない。だからこそ、いつも相手のことを理解したいと思っている。私もそんな亜哉子のことを理解したいと演じてきました」
役を通じて、成長を見つめ続けたモネ役の清原さんの印象も聞いた。
「果耶ちゃんはしっかりと主役として現場を引っ張ってくれました。モネのことを一番理解しているのは当然ながら、的確に表現していていつも素晴らしいなって思っていました。落ち着いているし、ドラマのことをよく考えていて、毎日、撮影は大変だったと思うのですが、集中して現場にいる姿や、役をよりよく表現するために考えている姿勢は、年齢に関係なく刺激にもなりましたし、私にとってもありがたく、充実した時間になりました」
また、劇中でモネが醸し出す「清らかさ」は、そのまま清原さんにも当てはまるという。
「正直なところやごまかさないところ、自分の芯をしっかり持って、周りから影響を受けすぎないところはモネちゃんと果耶ちゃんは似ているし、彼女を見ていると、すごくいいなって、顔がほころんでしまうんです。その一生懸命さに惹(ひ)かれて、心を打たれてしまうくらい、あの年齢(清原さんは19歳)ならではの美しさがあって、役にぴったりでした」と笑顔で語った。
最後に鈴木さんに、今の清原さんと同じように朝ドラヒロインとして過ごした30年前のことを振り返ってもらった。
放送期間は「おかえりモネ」の倍の1年間。収録前に「1週間の特訓を受けました」といい、「大学を卒業後、1年4カ月ぐらいNHKという演技の学校に通わせてもらったような感覚でした」と懐かしむ。
撮影のため毎日NHKへと“通う”朝ドラのイメージは今も昔も「学校」。それこそ30年前は、共演の先輩俳優から「学びたいという一心」で、演技のこと現場のことを「一から学ばせていただいた」と明かす鈴木さんだが、「おかえりモネ」では、モネ役の清原さんと“もう一人の娘”となる未知役の蒔田彩珠さんから多くを学んだという。
鈴木さんは「『モネと未知に学べ』がモットーでした」とほほ笑むと、「可愛らしく、さわやかに現場にいるだけではなくて、本当に2人は役のことをものすごく理解して現場に来ているなって感じました。自分が仕事を始めた当時のことを思い返すと、本当に自分は何もできてなかったなと思いますし、周りでいろいろなアドバイスをしてくださった先輩のことや、励ましてくださったスタッフの方を思い出したりして。(朝ドラ)ヒロインをやらせてもらった上で、ヒロインのお母さんとして戻って来られたことはすごくうれしいですし、心から感謝しています」と結論づけた。
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