今季が3年契約の最終年となる中日・与田剛監督(55)の来季去就が注目されている。10日現在、52勝67敗16分け、借金は今季ワーストタイの15でリーグ5位。すでにV逸が決まり、ここまで低迷する成績から、もはや今季限りでの監督退任は避けらない状況となっている。

 そんな中、球団内部では与田監督の〝配置転換〟を望む声がある。チーム関係者は「正直、監督としてこのまま来季も指揮を執るのは厳しい。だけど、フロントとして球団に残ってもらって編成部門を任せることはあり。現役時代からいろんな球団を渡り歩いているし、侍ジャパンのコーチも経験している。他球団とのパイプをたくさん持っているので、そっちの方で能力を発揮してもらう方がいいよ」と提案する。

 与田監督は、現役時代に中日はもちろん、ロッテ、日本ハム、阪神でプレーし、楽天や侍ジャパンでも投手コーチを務めた。中日監督就任1年目のオフにはR・マルティネスの残留交渉のため、現地まで飛んでキューバ政府の要人と葉巻を吹かしたり、親睦を図って2年契約を結ぶことに成功した実績などもある。

 また、ドラフト会議では2018年に4球団競合の根尾、翌19年は3球団競合の石川昂と当たりくじを引き当てた強運を持つ与田監督だけに、球団フロントとして残れば〝くじ引き担当〟として力を発揮することもできる。

 それだけではない。別の関係者は「与田監督に来季から投手コーチを任せてもいいのでは。貧打が深刻で打線はほとんど機能しなかったけど、12球団トップの防御率(10日現在、3・25)を誇る投手陣を整備した功績はさすがの面もある。監督には向かなかったかもしれないが、投手コーチなら手腕を発揮できるのでは」とも。

 監督が退任後に〝降格〟してチームに残るのは異例だが、他球団では昨季まで一軍監督だった楽天・三木監督が今季から二軍監督に配置転換した例もある。果たしてどうなるか。