トランプ前米大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏(43)が、21日に米ニューメキシコ州で映画「Rust」の撮影中に起きた銃の誤射で2人を死傷させる事故を起こした俳優アレック・ボールドウィンをあざけるTシャツを制作し、自身の公式サイトで販売していることが明らかになった。

Tシャツには「銃は人を殺さない。アレック・ボールドウィンは人を殺す」と描かれており、値段は27ドル99セント。悲劇的な事故をネタにしていると批判の声があがっている。トランプ・ジュニア氏は、事故後にインスタグラムでもボールドウィンを攻撃し、あざける内容の投稿をしていた。同氏は銃の収集家で、銃規制に反対していることで知られる。

ボールドウィンは、米人気コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ(SNL)」でトランプ前大統領を演じ、長年に渡ってパロディ化してきたことで知られる。選挙中にボールドウィンのモノマネが話題になって以降、トランプ氏はツイッターで度々SNLとボールドウィンを批判していた。

「空砲」だと言われて助監督から受け取った銃で、撮影監督のハリーナ・ハッチンズさんが死亡し、ジョエル・ソウザ監督が負傷する事故を起こしたボールドウィンは「悲劇的な事故」と声明を発表。警察の捜査に全面協力し、ハッチンズさんの家族のサポートも申し出ている。その後の警察の捜査でボールドウィンは銃に実弾が入っていたことは知らず、現場の過酷な労働環境や銃の取り扱いなど安全対策が怠慢だったことが明らかになっている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)