「東京メトロ」「ゼクシィ」などのCMで知られるクリエーティブディレクター箭内(やない)道彦氏(57)が28日、都内で福島県新ブランド米「福、笑い」のCM発表、試食会見に出席した。

「福、笑い」は2006年(平18)に開発がスタート。14年間の月日をかけてコシヒカリ、ひとめぼれなどの交配を重ね、19年(令元)に福島県の奨励品種への採用が決定した。

箭内氏は制作した「福、笑い」のCMを披露して「日本一の米には日本一のクリエーティブ生産者の方々をと思って、トップレベルの方を集めました」と話した。

NHK大河「青天を衝け」のオープニング映像も手掛ける柿本ケンサク監督(38)は「大尊敬する箭内さんから声を掛けていただいてうれしかったです。東日本震災の時に東北で花火を上げるイベントをやって、それを映画にさせてもらったので、恩返しをしたいと思っていました。愛情込めて作られたお米と、手書きのイラストということで、3CGで起こしてみました。手作りの物がダイナミックに動いているのを見てほしい」。

イラストを担当した寄藤文平氏(48)は「パッケージで考えていたんですが、動くとなって、より精密に世界を考えました。頭の中に『福、笑い町』というものを考えて、ここに木があるという風に考えました」と説明した。

試食では箭内氏は「おいしいです。本当においしいです。おかずなしで『福、笑い』だけで1膳いけちゃう感じです。生産者の方々をはじめ、たくさんの人々の熱い情熱と高い技術でおいしいお米ができました。これが広まっていくのが楽しみです」。柿本監督は「リッチなおいしさです」。寄藤氏は「同じです、おいしいです」と笑顔を見せた。

会見は福島ともオンラインでつながれた。東京五輪で開幕試合を福島のあづま県営球場で迎え、金メダルを獲得した女子ソフトボール日本代表チームを監督として率いた宇津木麗華さん(58)は「福島を連想できるCM。おいしさが伝わってきます。1粒1粒が生きている感じですね」。エースとして活躍した上野由岐子投手(39)は「ホッコリして、おいしさが伝わってくるCMだなと思った。一口食べた瞬間、お餅を連想させるおいしさを感じました」と話した。宇津木さんは「上野が食べるんだから日本一のお米」と笑った。

福島県の内堀雅雄知事(57)は「福島県とJAグループ福島が『日本一のお米を作りたい』という思いで14年の年月をかけてこだわって作り上げました。最高です、おいしい」とPRした。