Forbes JAPAN 30 UNDER30 2021の授賞式で、女優忽那汐里(28)を取材した。

忽那は、イベント内で、日本発の「世界を変える30歳未満」30人を選出する同賞に絡め、「自分の世界を変えた人」について語った。

オーストラリア生まれの忽那は、18年から本格的にハリウッド進出し、拠点をアメリカに移し、19年には所属事務所を退所している。日本にとどまらないグローバルな俳優活動を展開し、世界中の精鋭たちと仕事をしている。

そんな忽那が、自身を変えた人、影響を受けた人として名前を挙げたのが19年に亡くなったショーケンこと、萩原健一さんだった。

忽那は16年にNHK BSプレミアムの連続ドラマ「鴨川食堂」で親子役で萩原さんと共演した。「3カ月、一緒に親子役をやらせてもらって、なかなかああいう風に究極の生き方をした先輩にお会いしたことがなくて。いまだに萩原さんが3カ月の間に教えてくれたことは、どの現場でも意識しています。(共演した期間は)短かったですけど、かけがえのない経験だったと思っています」と明かした。

現在、ハリウッドでは刺激的な日々を過ごしているという。オーディションを受けつつ、役が決まると、世界各地での撮影に臨む。日本のように、送迎車があるわけでもなく、俳優1人でいろいろなことをこなす。1年以上撮影が続くこともあるという。「まだまだ挑戦することが多い」と、表情は晴れやかだった。そして「向こうの作品に出ることで、日本の人がもう少し外に出たり、視野が変わっていくきっかけになればいいなと思います」と力強く使命感を口にした。

忽那は06年に11回全日本国民的美少女コンテストで、審査員特別賞を受賞したことをきっかけに芸能界入り。15年を超えるキャリアの中で、国内外の“名優”と共演している。日々、“世界基準”を肌で感じる忽那が、昭和の個性派スターをリスペクトし、その教えを大切に、異国の地で奮闘していることを知り、なんとも胸が熱くなった。【佐藤成】