演歌歌手の椎名佐千子(39)が4日、東京・なかのゼロホールで20周年記念コンサートを開催した。新型コロナウイルス感染対策をした上での有観客コンサートでファン約600人が詰め掛けた。

椎名は02年にデビュー、持ち前の迫力ある歌唱力に加え、当時としては異色のはかま姿、いわゆるハイカラさんスタイルと、南流石氏振り付けによるキッズダンサーとのダンスでも話題となり、その年の日本レコード大賞新人賞を受賞した。

この日のコンサートは、デビュー曲「御意見無用の人生だ」からスタート。15人のキッズダンサーたちと息の合ったダンスを披露、デビュー時を再現した懐かしい演出で会場を大いに盛り上げた。デビュー時は歌詞にもある“やると決めたらまっしぐら”を引用し「まっしぐらキャンペーン」と名付け全国各地を行脚。

「デビューと同時に全国隅々までくまなく回らせていただき、たくさんの方々とのご縁を頂きました、そのご縁が今日につながったような気がします。」とかみしめるように語った。

「哀愁・・・日本海」「漁火街道」「丹後なみだ駅」などヒット曲が続き、オリコン歌謡曲・演歌チャート自身初の初登場1位を獲得した20周年記念曲「潮騒みなと」を披露。サビの“きっときっと帰ること 信じてる”の部分は、「コロナで会えなくなった皆さんとまたきっと会えますようにと願いを込めて歌唱して来た、今日願いがかないました」と熱く語った。

また、古くから伝わる民話「鶴の恩返し」を題材にした「おつう」では、迫真のせりふと歌唱、そして鶴を模した純白の羽織姿で主人公の悲しいさだめを演じ喝采を受けた。

「女の華祭り」「酔歌(ソーラン節入り)」の曲中では、肩を大胆に露出したニューキモノ姿で、助六太鼓の今泉光氏と共に迫力ある長胴太鼓・締め太鼓演奏を披露、また、ちあきなおみの、語り芝居風の名曲「ねぇあんた」では艶やかな深紅のドレスで登場、夢は座長公演と語る椎名らしいせりふ風の歌唱で改めてその表現力の幅の広さを見せつけた。

「コロナ禍で生活が一変し、今まで気付かなかった多くの学びがあった」と語る椎名。人前で歌うことが無くなり「聴いてくれる人がいてこそ歌手でいられた。改めてファンの皆さんの応援があってこそ自分でいられたことに気づきました」と語った。

なお、この公演の模様は来年の3月にDVD・ライブCDとして発売予定だ。