中日・石川昂弥内野手(20)が来季3年目にして覚醒の予感を漂わせている。

 4日にナゴヤ球場で新生立浪竜の秋季キャンプがスタート。立浪監督から「石川昂を育ててほしい」と直々に要請を受けた中村紀洋一軍打撃コーチ(48)から早速、身振り手振りで指導を受けた。

 すると、この日は居残り練習も含めフリー打撃で109スイング中30本も柵越えを果たし、そのうち4本が場外に消え、規格外のパワーを発揮した。

 中村紀コーチがアドバイスしたのは手からの始動。「バットを持っている手を動かさないと球は打てないというシンプルな考え。手を使うことによって脚も使うので、脚を使うと手が出てこないというのが基本。今まで手が2、下半身が8という感覚でいたようだが、それを真逆にする。球を飛ばす能力はあると思うが、それを十分に生かし切れていなかった。打てるという自信になれば安定感が出るのでは」と力説する。

 これには石川昂も目からウロコだ。「今まで教えてもらったことがなかったのですごく新鮮な気持ち。これまで下半身を意識して打撃をしていたが、真逆なのですごくびっくりした。全然打球も違っていて、飛べば楽しいですね。1日でこんなに柵越えすることはなかった。やってみて感覚はとても良かったので継続してやっていきたい」とすっかり〝ノリ信者〟となった。

 しかし、手でタイミングを取る選手は、球界では少数派。石川昂にハマればいいが、来季結果を残してノリ先生に恩返ししたいところだ。