きん(30)と原田泰雅(29)の巨漢2人が繰り広げるインパクト抜群のコントで第51回NHK上方漫才コンテストを制したお笑いコンビのビスケットブラザーズ。上方お笑い界の注目株が目標に掲げるのは、コント日本一決定戦のキングオブコントで優勝することだ。残念ながら今年は準々決勝で敗れてしまった2人だが、史上最高の大会と評された決勝はどう映ったのか――。


【ビスケットブラザーズ・インタビュー後編】

 ――ハイレベルと評される今年のキングオブコント、優勝した空気階段はどう思った

 原田 空気階段とは「俗の細道」ってユニットもしてて、キングオブコントでやった2本のネタを調整してるのも見てる。賞レースって出番の妙もあるし、運ゲーの要素がありますよね。それは空気階段も言ってました。空気階段のネタがハマった感じもあるし、全くゼロで見てたら、違う感想もあったかもしれませんけど。

 きん 運ゲーの面はありますよね。

 原田 僕らがytvやNHKを取ったのも運。運と言えるまではあると思うんですけど。

 きん 決勝までは詰め切れるんですけど、決勝は運な気がします。いい話が続いたら、空気階段みたいにふざけてる方がバーンとウケたりするし、逆にふざけてるのが続くと、いい話の方がウケそう。運ですよね。

 原田 全員で作ってるんですよね。蛙亭が壊して、ジェラードンさんが壊したからこその男性ブランコやったりとか。

 きん 賞レース決勝は共通して運がデカすぎですよね。

 ――それで人生が左右される

 きん・原田 怖ろしいっすよ!

 原田 まぁ、今回は点数のインフレがどんどん起こって、空気階段が出てきた時に「コイツらや!」ってなって高得点がついた。全員が実力あったからこそだと思います。

 ――それにしても、漫才劇場出身芸人の活躍が目覚ましい

 きん みんな活躍して、漫才劇場芸人として恩返ししてくれてるのは、僕らもありがたいですよね。

 原田 腐らずネタをやって、腕を磨き続けたメンバーが生き残ってる。(客が)ガラガラの時から面倒見続けてもらったので、僕らが有名になって恩返しできたらいいという場所ですね。

 ――若手の突き上げも感じるか

 きん 僕はめっちゃ感じますね。世代って急に変わるじゃないですか。怖いと思いますね。

 原田 僕らがモンスターエンジンさんとかジャルジャルさんを見て育ったように、あと3年とか5年後とかに、ニッポンの社長とか蛙亭とか僕らを見て育った人が仕上がった時が怖いかもしれない。全部知った上でやってこられる。真正面から僕らを見て、倒せると思って、僕らの発想を「余裕余裕」って超えてくる後輩が入ってくると怖いですね。

 きん 世代で結構言われるじゃないですか。僕ら、今の世代にも次の世代にも参入したいですね。

 原田 最悪の思いをする可能性もありますよね。第7世代の恩恵はそこまで受けてないのに、第7世代で残れない人も出てきた時に、一緒に消えていくっていう(笑い)。

 きん その時は、〝第8世代〟として戻ってきます!(笑い)

 ――来年1月14日に東京・ルミネtheよしもと、同22日に大阪・よしもと漫才劇場で単独ライブを開催

 きん 東京、大阪でやるのは初めて。東京でどれくらい認知してもらって、好きなことがウケるのかというのを試せる場なので楽しみですね。

 原田 東京って一流の人がいる場所。ふざけてる僕らが一流の人らの前でふざけ倒して、価値観をぶっ壊したいですね。


 ☆きん 1991年4月27日生まれ。香川県丸亀市出身。趣味は野球。阪神の秋山拓巳投手は小学校の同級生で同じ野球チームだった。

 ☆はらだ・たいが 1992年1月10日生まれ。大阪府岸和田市出身。趣味は漫画。コントで見せるクセの強いキャラが人気。