【志賀貢 男の羅針盤・実践編】

【掌(てのひら)でわかる男と女の相性診断】

 古くから巷では「掌の冷たい女(ひと)は心が温かい」とか、「掌の温かい女(ひと)は心が冷たい」と言われてきたようですが、いずれも俗説です。医学的には、掌の温かい人は心も体も温かい、と考えるべきです。

 女性の肌は、卵巣から分泌される女性ホルモンのエストロゲンの影響を強く受けています。とくに20歳前後になると、このホルモンの分泌が豊かになってきますから、女性の肌はますます輝きを放つようになります。

 また、エストロゲンには、脂肪合成を盛んにするという働きと、皮膚の含水量を増加させる働きもあります。この2つの作用によって、肌はみずみずしくなってくるわけです。

 掌の拇指(おやゆび)の付け根、それに小指の付け根はとくに肉づきのよい部分で、拇指球(ぼしきゅう)、小指球(しょうしきゅう)と呼ばれています。年頃になって、エストロゲンの分泌が盛んになると掌の肉づきが豊かになり、この2つの球(きゅう)の部分がふっくらとしてきます。

 女性の理想的な掌は、まず肉づきがよいこと、色が白いこと、しっとりと濡れていること。そして握手をした時に、水分を含んでじわっとした感触がいつまでも相手に伝わるのが幸せの相でもあります。

 一方、男性は、筋肉を合成する働きのあるアンドロゲンという男性ホルモンで支配されていますから、掌は筋肉質で肉づきがよく、たくましい手の人が健康的で男らしいと言えます。

 このように、男と女の相性は、掌で診断できます。もし、出会いの機会があったら、男女共にお相手の掌に注目して、なおかつ、あいさつ代りに握手を求めることが、良いパートナーを見つけるコツでもあります。

 女の手は十分に水分を含んでしっとりと柔かく、温かいこと。男の方は肉づきがよく、力強く握手すると痛いくらいの力が伝わってくること。これが最高のカップル誕生の秘訣です。

☆しが・みつぐ 北海道生まれ。医学博士。昭和大学医学部大学院博士課程を卒業。臨床医として診療を行うこと50年超、現在も現役医師として日々患者さんに接している。文筆活動においてもベストセラー多数。性科学の第一人者にして、近年は高齢者の臨終や性に関しても健筆をふるう。最新刊は「コロナワクチン3回目打ちますか? 医者の私が接種しない理由」。