中日・京田陽太内野手(27)が新任の中村紀洋打撃コーチ(48)に〝暗示〟をかけられた。

 4日からナゴヤ球場で始まった秋季キャンプで連日、中村紀コーチから「トリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)いけるぞ!」とハッパを飛ばされているのだ。

 今季は打率2割5分7厘、3本塁打、6盗塁とあって、かなり厳しい目標設定にも思えるが、中村紀コーチは大まじめ。「もともと小柄な子と思っていたら、僕よりもデカかった。足も速くて30盗塁以上できるし、打率も残せるはず。下半身もしっかりしていて安打だけではもったいない。本塁打は、今までの当てる打撃では出ないのでスイング力を身につけるようにやっている。目標は高く持って、本人にも口酸っぱく『お前はトリプルスリー取れるんだ!』と毎回言うてます」と大きな期待を寄せている。

 現在は大幅な打撃フォーム改造に着手。京田はテークバックを取る際、トップで「二度引き」するクセがあり、最初から頭付近の高い位置にトップをつくり、振り下ろす打法に取り組んでいる。「こんなにバットを高く上げたことがなかったが、勝手にトップができて上げて下ろすだけ。思ったよりも違和感がないし、こっちの方がバットが出やすい。実戦が楽しみだし、手応えはある」と好感触を得ている。

 さらに中村紀コーチから左手9、右手1の力加減でバットを握りスイングするように指示されたという京田は「(右手は)全然握っていない感じ。最初は何を言ってるのかなと思ったけど、いざ打ってみたらしっかりバットが出る。中村コーチを信じてやっていきたい」と、すっかりノリ流打撃論に心酔している。

 中村紀コーチは「今までやったことがなくて半信半疑だと思うが、ずっとこれでいければ、トリプルスリーです!」と改めて太鼓判を押せば、立浪新監督も「本人の顔を見てもらったら分かるように非常にいいので、これを固めていけば、違った形をお見せできるのでは」と大化けを予言。来季以降の京田が今から楽しみだ。