俳優柄本明(73)、笹野高史(73)、佐藤B作(72)ら演劇界のレジェンドの共演で話題の舞台「本日も休診」が12日、東京・明治座で初日を迎えた。

ステージは爆笑の連続となり、カーテンコールでは観客が立ち上がって拍手を送った。柄本は「ホッとしています。お客さんが最後立ち上がっていただいたりしてありがたい」と、初日の成功に笑顔をみせた。

70年代の那須高原を舞台に、心温かい医者とひとクセある村人たちとの交流を喜劇で描く。柄本、笹野、佐藤のほか、松金よね子(72)、ベンガル(70)ら、50年来の親交がある顔ぶれが共演している。

舞台では、柄本が妻役の花總まり(48)からビンタされ豪快なコケっぷりで爆笑を呼んだり、笹野、佐藤と白塗りの芸者姿で「お祭りマンボ」を踊ったりと、息のあった笑いをみせた。

終了後、合同取材会を行った出演者たちは、「いい初日だった」と充実の笑顔。柄本は、豪華共演に「50年来の付き合い。20代の青春まっただ中でアングラ演劇で出会って、それがこんな明治座で、感無量です。みんな顔にシワが多くて、泣けてくる。くだらないことやっている時は特に」。明治座の舞台は「まったくの初めて」とし「花舞台ですね」。早着替えなどで楽屋の廊下を走っているとし、「オレ、走れるんだと」と笑った。

笹野は、自ら「私たちはアングラのレジェンド」と胸を張って笑わせ「楽しくてしょうがない。みんな50年前の芸風と変わらない。安心感があり、こんな楽しい舞台は初めてです」。佐藤も「3人とも舞台の作り方が変わらないな、と思った。僕はまじめに作っていき、エモっちゃんはゆっくりと役柄を作っていき、笹野は相変わらずやっつけの稽古をやっていて」と笑い、「最後にこんな盛り上がるのはここ何年ぶりかの体験。柄本明のねらいが大当たりしたのでは。ただ者じゃない」と話した。