75歳の元中国副首相・張高麗氏に性的関係を強要され不倫関係になったことを告発し、消息不明になっている女子テニスの彭帥(35=中国)の自撮り写真に、中国でタブーとされているあのキャラクターが映っており、物議をかもしている。

 21日、国際オリンピック委員会(IOC)は彭がトーマス・バッハ会長(67)と30分間のビデオ通話を行い、彭の安全を確認したと発表。北京五輪に向け、なんとか騒動を終わらせたい中国政府とIOCの姿が浮き彫りになった。これまでも胡散臭い〝無事アピール〟が行われたなか、話題を呼んでいるのが、彭の自撮り写真。中国国営メディア「CGTN」の沈詩偉氏が自身のツイッターで紹介した3枚の写真のうちの1枚だ。彭がパンダのぬいぐるみを持って自撮りしているが、その中で、額に収められた写真に「くまのプーさん」の姿があるのだ。

 中国では習近平国家主席がプーさんに似ているとネット上や海外メディアで指摘されて以降、タブー視され、検閲の対象になっている。海外メディアでもこの珍現象が注目されるなか「台湾英字新聞」はプーさんのいる意味を分析。「ネット上で中国共産党の監視のなかで話しているという隠されたメッセージなのではないかと噂されている」と、彭の真のSOSアピールなのでは、と伝えた。

 逆にいえば、あえて検閲せずに通し、〝中国には検閲なし〟をアピールしたともとれる。いずれにせよ、彭も中国では検閲の対象で、検索しても関連ニュースは出てこない。怪しさ満点となってきたこの問題。誰もが納得のいく対応が中国政府から出されるのだろうか。