女優風祭ゆき(68)が23日、東京・テアトル新宿で行われた映画「セーラー服と機関銃」(81年公開)トークイベントにゲスト登壇し、主演薬師丸ひろ子(57)や相米慎二監督などとの撮影エピソードを語った。

同作で謎の女、マユミ役で出演した風祭は、この作品でスターダムに駆け上った薬師丸について「最初の出会いのシーンから胸の中に熱いものがあり、熱のかたまりだった」。機関銃の乱射シーンからの「カ・イ・カ・ン!」の名場面では、薬師丸がガラスの破片で顔面を切りながらも演技を続けたことを絶賛。「すごい根性でお芝居を続け、シーンを重ねるごとに女優魂が座った人に育っていった」と語った。

20年前に亡くなった相米監督についても「相米組はかなりめちゃくちゃ」と、笑顔で懐かしんだ。「相米さんは全部1シーン1カット。何回も何回もリハーサルをして、やっと撮ったのに1週間後にリテイクということもあった」。演出法も「私には『違う』とか『逆』とかしか言わないのに、ひろ子ちゃんには具体的。呼び方も『ひろ子さん』と立てていて、すべてがひろ子ちゃんが基準になっていた」と笑った。

40年たっても色あせない作品の魅力に、「今も皆さんこうして駆け付けてくださる。本当によくできた楽しい映画。相米さんの腕はすごいなと、映画のすごさをあらためて感じた」と語った。

この日のイベントは、テアトル新宿で開催中の「角川映画祭」の中で行われた。「セーラー服と機関銃」のほか、「犬神家の一族」「時をかける少女」など角川映画31作品を一挙劇場公開している。