米俳優ケビン・スペイシー(62)が、複数件のセクハラや性的暴行疑惑によってネットフリックスのドラマ「ハウス・オブ・カード野望の階段」を降板したことを巡り、3100万ドル(約34億1000万円)の損害賠償の支払いを裁判所から命じられていたことが明らかになった。

訴えを起こしたのは、同ドラマの制作会社であるメディア・ライツ・キャピタルで、降板によって多大な損失を被ったとして損害賠償を求めていた。

スペイシーは同ドラマに出演中だった2017年に、俳優アンソニー・ラップから80年代に性的暴行を受けたことを告発され、他にも被害者が次々と名乗り出てきたことで降板を余儀なくされた。そのため、すでに撮り終えていた2話分はお蔵入りとなり、脚本を書き直す対応に追われ、最終的に13話の予定が8話に短縮して配信された。

スペイシーに性的暴行を受けた被害者の中には、同ドラマのスタッフ8人も含まれていたが、スペイシーは疑惑を全て否定している。判決についてスペイシーの代理人からはコメントは出されていない。(ロサンゼルス=千歳香奈子)