新日本プロレス24日の東京・後楽園ホール大会「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」公式戦でYOH(33)がロビー・イーグルスを破り待望の初日を挙げた。

 開幕から4連敗で早々に崖っぷちに追い込まれていたが、ついに目を覚ました。前IWGPジュニア王者の猛攻を耐え抜くと、ファイブスタークラッチで3カウントを奪い逆襲ののろしをあげた。

 2012年の入門から9年も苦楽をともにしたSHOに裏切られ「ロッポンギ3K」は解散。9月メットライフドーム大会で元パートナーとの遺恨対決に敗れて「時間をください」と姿を消し、迎えたBOSJでも結果がついてこなかった。田口隆祐からは「小松洋平でいいんじゃないか、もう?」と本名への再改名まで勧められた。

 改名は自身もBOSJ開幕前に考えたことがあったという。ただ「小松」という名字が「弱そうだから」という激しい思い込みにより、あまり好きではない。そこで祖母性の「菅野」の使用を検討したが「字画を調べたら仕事運『大大吉』なんですけど、人格が『大大凶』だったんです。これじゃ大ヒール、バレットクラブじゃないか! と思ったんです。俺はYOHでやり通します。ここで自分だけ名前を変えたら3年間やってきた過去の自分にも、今のSHO君にも負けたことになるかなと」。

 信じた道を突き進むことを決めていた。「これまでは『3KのYOH』に縛られて、自分を押し殺してでもそれを守ろうという固定観念が強かったのかもしれない。今は全部取っ払って新しいものを生み出そうとしてます」。雑念を全て捨ててきたYOHが、苦悩を突き抜けて歓喜に至る。