今期最終話に向けマギー、ダリル、ユージーンに驚きの展開が!?
今週のウォーキング・デッド
シーズン11の第7話は、不穏な空気が漂い始めてきた。次回配信の今期配信分最終話、第8話のクライマックスに向けて、あっちでもこっちでもドラマが加速する!?（平沢薫）
※ご注意 なおこのコンテンツは「ウォーキング・デッド」シーズン11について、後半の「もう観ちゃった方向け」はネタバレが含まれる内容となります。ご注意ください。
今週のウォーキング・デッド～シーズン11第7話
＜これから観る方向け：ネタバレなし＞シーズン11第1期はあと1話を残すのみ。あっちもこっちも怪しげな動きが！
シーズン11の全24話は8話ずつ配信されることが発表されている。第7話が配信された今、今期配信分はあと1話を残すのみ。そこで、マギー（ローレン・コーハン）たちのグループにも、収穫者たちと共に行動しているダリル（ノーマン・リーダス）にも、まだ正体不明の集団コモンウェルスに加わっているユージーン（ジョシュ・マクダーミット）にも、大きな出来事に向けての動きが出てきた。
その中で、登場人物たちの微妙な心情を描くシーンがあるのも、今回の見どころ。脚本のジュリア・ラックマンは、シーズン10から本作の製作に参加しており、脚本は本作が5話目。今回の前には、プリンセス（パオラ・ラサロ）のかなりアブない精神状態を描いたシーズン10第20話「破片」の脚本を担当していた。
監督のシャラット・ラジュは、本家シリーズはシーズン10第13話「選択」に続く2話目だが、スピンオフの2作、「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」のシーズン4～6に参加、「ウォーキング・デッド：ワールド・ビヨンド」のシーズン1にも参加していて、この世界には馴染みがある。続く第8話も彼が監督している。
＜もう観ちゃった方向け：ネタバレあり＞今回は嵐の前の静けさ？ニーガン、リアの心理描写もたっぷり
今回はマギーによる、収穫者から居住施設を取り戻すための計画が判明するが、なんと、それが囁く者たちの戦略を模倣することだったとはサプライズ！ 確かに、ニーガン（ジェフリー・ディーン・モーガン）は囁く者に加わっていた時期があるから、彼らの戦略に詳しいのも納得。今回のラストを見ると、マギーたちが率いるウォーカーの数は、予想より遥かに多い。はたして収穫者たちとの戦闘では、どんな事態が起きるのか、クライマックスへの期待値が上がってしまう。
と、大きな出来事を予感させつつ、その一方で、登場人物たちの心理もきっちり描くのが「ウォーキング・デッド」。まず、ニーガンの心理。彼はマギーとの会話で、仲間の大切さを語り、彼女の夫グレン（スティーヴン・ユァン）を撲殺した事件に触れて「やり直せるなら君たち全員を殺す」と言う。仲間を救うことを最優先するなら、そうするべきだったと語るのだ。静かな口調で語られるのでさらに衝撃的なこの言葉は、きっとニーガンの真意。彼が本心を語るのは、マギーの信頼を得るため。そのためには、あの行為を後悔しているというウソをつくより、本心を語ったほうがいいというニーガンの判断は、彼の人間性を感じさせる。また、ニーガンがマギーという人物を理解していることもわかる。このニーガンの心理描写に唸らされる。
余談だが、このときの会話にはかつてのエピソードを思い出させる部分もある。マギーがニーガンたち救世主の基地には子供はいなかったと言うと、ニーガンが「なら、グレイシーは？」と言うが、このグレイシーとは、アーロン（ロス・マーカンド）が育てているあの女の子。シーズン8第2話「予期せぬ再会」でリック（アンドリュー・リンカーン）たちが救世主の基地に侵入したとき、ベビーベッドで寝ている赤ん坊を発見して連れ帰ったのが彼女なのだ。
また、心理描写では、リア（リン・コリンズ）のシーンもある。彼女は、母親と隠れていた幼い少年を見て、無線で教祖（リッチー・コスター）が指示した全員を殺せという命令に逆らい、少年と父親を逃す。これは彼女がシーズン10第18話「俺を見つけてくれ」で語った、かつて集団で一緒に暮らしていた姉の子供を失ったことを思い出させる。と同時に、彼女の教祖に対する本心を推測させる。このリアの心理描写にも納得。そこで、ダリルが彼女に何か（おそらく彼の計画）を語ろうとしたところで邪魔が入ってしまったが、この2人の間には、これから切ないドラマが待っていそうな気配が濃厚になってきた。
一方、ドラマ面では、やっぱりコモンウェルスの暗黒面が少しずつ見えてきた。ユミコ（エレノア・マツウラ）の兄はなぜ連れ去られたのか？ 権力者の息子の怒りを買って逮捕されたユージーンはどうなるのか？ この巨大コミュニティーは、これまでの敵とはまったくタイプの違う危険さ、恐ろしさが隠されているようで、次の展開がものすごく気になる。
