一昨年10月に88歳で亡くなった宝塚歌劇団出身の女優、八千草薫さんの肖像画複製パネルが来年1月31日まで、兵庫県宝塚市の宝塚ホテルで展示されている。

描いたのは、昭和を代表する洋画家小磯良平氏。56年、当時25歳の八千草さんを油彩画にしていた。

在団中から映画出演していた八千草さんは、前年55年上映の映画「蝶々夫人」で「日本人女性の象徴」としてヒロインを演じていた。小磯氏が、八千草さんの演じた蝶々夫人に感銘を受け、週刊誌の表紙モデルとして和装姿の八千草さんを描き、この時にあわせて制作された絵になる。

宝塚ホテルの支配人で、元宝塚歌劇団娘役(月組組長)の憧花ゆりのさんによると、著作権を管理している小磯記念美術館の了承を得て、複製パネルの制作が実現したという。

憧花さんは「古典的な西洋画家の技法を得て端正な人物画を描いた小磯画伯。『清く 正しく 美しく』の教えを受け継ぐ宝塚歌劇団。社交の場として西洋文化を広める先駆けとなった宝塚ホテル。3者に共通するのはモダンな感覚、気品あふれるスタイル」とし、展示の意図を説明した。

29日に行われた除幕式には、劇団から雪組トップ彩風咲奈、トップ娘役朝月希和や、木場健之理事長らが出席した。