体調不良で11月末まで休養していた上方落語の大御所、桂ざこば(74)が1日、自らが席亭を務める大阪・動楽亭の昼席で舞台復帰した。ざこばはこの日、出演前に同劇場前で取材に応じ、持病のぜんそくに慢性閉塞性肺疾患(COPD)を併発していると診断され、約5日間入院していたことを明かした。

ざこばによると、11月上旬に博多座で高座出演した当時から「しゃべりにくいな」と、体調に不安があったと言い、その後帰阪して診察、入院へと至ったという。検査は「吸うて、はいて。それが一気にふーーーーーーっと。もうええか思うても『まだまだ、まだまだ』言うて。もう、検査がしんどかったわ」と振り返った。

もともとヘビースモーカーだったが、17年に脳梗塞を患ったのを機に禁煙。ただ、ぜんそくが持病だけに「歩いてもしんどい。20メートル歩いたら、ぜえぜえ。休んで歩いて…そんなんや」という日々があった。現在は飲み薬を続けるなどし、状態も落ち着いており、舞台復帰前日だった11月30日には弟子を自宅へ招いて、落語の訓練も行った。

「まあ、これもな、お客さんの前に出たら、アドレナリン出るからな」

いたずらっぽく笑ったざこばには、声にも張りがあり、舞台人らしく取材の受け答えも大きな声だった。

この日の舞台は「鉄砲勇助」を演じ、18分ほどの高座だった。出番の前後で酸素濃度もチェックしたが、問題はなかったという。

今後も5日には大阪松竹座への出演予定があるなど、関西圏だけではなく、関東方面への仕事も控えており、検査も継続して体調に留意しつつ仕事を進めていく。