最多勝右腕が母校に凱旋―。今季13勝をあげ初の最多勝を獲得した阪神・青柳晃洋投手(27)が7日、出身地の横浜市鶴見区で母校・寺尾小を含む2校の小学校を訪問。今季から、1勝につき10万円分の図書カードや本、玩具を同区内の市立小学校、市立保育園に寄付する活動を開始し、この日は寄贈式に自らを足を運んだ。

 寄贈式も兼ねて行った生徒との交流会では、生徒たちとキャッチボールなどで交流した。

 今年は日本代表・侍ジャパンにも選出され、今や球界を代表する投手も、中学までは補欠。あわせて行った講演会では、決して野球エリートではなかった自らの野球人生をテーマに「夢と目標との違い」をスピーチ。「手の近くにあるのが目標で、なれたらいいなが夢。夢がない人はまず目標を見つけてほしい。いきなりうまくなることは絶対ない。積み重ねです。夢をかなえる人とかなえられない人との違いは、諦めるか途中でやめるか」と、子供たちに熱く訴えた。

 この日は阪神のユニホーム姿に東京五輪の金メダルも持参。「子供たちからしたら、オリンピックの金メダルって見ることも触ることもないですし、。本当にそういうのを身近に感じてもらえればと思って」と、記念撮影後には集まった子供たちに、金メダルを触れさせてあげた。

 大人でも滅多に見ることも、触れることも叶わない金メダルの感触を子供たちに確かめてもらったその理由を「喜んでもらえたら良いなと。金メダルを持っていたらすごい人だと分かってくれる。そういう意味でも親しみを持って近くで(見てもらいたい)。すごい人が近くにいる、このあたりが出身だと分かってもらえたら嬉しいなと思います」とし、故郷への恩返しにひと肌もふた肌も脱いだ。

 飛躍の1年を終え、今週末の11日には28歳を迎える青柳。その五輪では思うような結果を残せなかったのを受け、次なる目標は国際舞台への再挑戦だという。

「国際大会で絶対にやり返してやろうと思っているので。(侍ジャパンの監督が新たに)栗山さんになりましたけど、そこにも入っていけるように活躍したい」と、再び日の丸のユニホームに袖を通すことを熱望した。