尾上菊五郎、中村時蔵、尾上松緑、尾上菊之助が9日、都内で、東京・国立劇場の初春歌舞伎公演「通し狂言 南総里見八犬伝」(1月3~27日)の取材会に出席した。

江戸時代に曲亭馬琴によって書かれた壮大な原作は、舞台、映像、漫画、ゲームなどさまざまな作品になってきた。国立劇場での上演は7年ぶりとなる。

菊五郎は「曲亭馬琴が長々と書いた本を、いかに緊張感をもって3時間なり、3時間半なりつとめあげるかが大切。どうしようかな…。お客さまがまた歌舞伎を見たい、という気持ちになってくれたらうれしい」と話した。

毎回、初春公演は、時事ネタを取り入れた演出やせりふでも楽しませる。この日は時蔵が「われらがビッグボスの命令なので、体が動けるうちに頑張りたい」と言えば、菊之助も「どのようなショータイムが繰り広げられるかご期待ください」と盛り上げた。どんな時事ネタを取り入れるかと聞かれた菊五郎は「(演じる)犬山道節にはビッグボス的な面がありますよね」としつつ「今、言ってしまうとおもしろ味がなくなってしまう。お稽古しながら皆さんの意見を取り入れたい」と話した。

11月28日に亡くなった中村吉右衛門さん(享年77)について聞かれると、菊五郎は「この場ではちょっとお許しください」と言葉少なだった。