楽天を今季限りで自由契約となり、１０年ぶりに古巣・ＤｅＮＡへの復帰が決まった藤田一也内野手（３９）が１０日、横浜市内の球団事務所で行われた入団会見に臨んだ。年俸は１８００万円で、背番号は「３」に決まった。

　会見で藤田は「イーグルスでプレーしていた時から自分の中で気にしていたチームだった。１０年ぶりにベイスターズのユニホームに袖を通せるという気持ちとベイスターズファンの前でプレーできることに喜びを感じている。とにかく言葉では表せない」と感慨深い表情を見せた。

　２００４年ドラフト４位で近大から横浜（現ＤｅＮＡ）に入団し、２０１２年途中までベイスターズに在籍。１２年途中からトレードで移籍した楽天では攻守にわたって活躍を遂げ、１３年には球団史上初の日本一に大きく貢献。二塁手としてベストナイン、ゴールデングラブ賞にも輝き、チーム内では選手会長も務めるなど楽天では中心的存在となった。今季は一軍出場がなくオフに戦力外通告。楽天側からはコーチ職を用意されて球団残留を強く求められたが、現役続行を希望して新天地を探していた。　

　来年７月に４０歳を迎えるベテランは古巣でチーム最年長となる。自身の立ち位置を踏まえた上で「自分の中では不完全燃焼で『まだ、できるんじゃないか』という気持ちがあった。イーグルスではリーグ優勝、日本一を経験してひと回り大きくなることができたと思っている。僕の経験をアドバイスできれば。戦っていく中で不安を感じることもあるだろうし、そこは助言できると思う。ベイスターズには若く、凄い身体能力の高い選手が多いので自分にとっても勝負だが、日本一、リーグ優勝を目指して切磋琢磨していきたい」と力強く語った。

　同席した三原球団代表からも「ずっと注目している選手だった。当然、選手としての獲得なのでキャンプスタートのタイミングでレギュラー争いから頑張ってもらいたい。最低でも一年間一軍で、できるだけ長く一軍で活躍をとお願いした」と明かされるなど球団側からの期待値は大きい。

　来季は最下位からのＶ字回復で２４年ぶりのリーグ優勝、日本一を狙うＤｅＮＡに頼もしい〝精神的支柱〟が加わった。（金額は推定）