長年不仲で絶縁状態だった米歌手カニエ・ウェスト(44)とドレイク(35)が9日、米ロサンゼルスのメモリアル・コロシアムで慈善ジョイントコンサートを開催し、12年ぶりの和解でファンを熱狂させた。

1997年に殺人罪などで終身刑となった米最大規模のストリートギャングの1つ、ギャングスター・ディサイプルズのボス、ラリー・フーバー服役囚の釈放を求める無料コンサートで、アマゾンプライム・ビデオなどで生中継されたほか、ハリウッドのチャイニーズ劇場など全米の映画館でもライブストリーミングが行われた。ドレイクも出演していた先月テキサス州ヒューストンで行われた音楽フェスで観客がステージに殺到して多数の死傷者が出る事故が起きたばかりで、会場には厳重なセキュリティー態勢が敷かれたが、大きな混乱は見られなかった。ドレイクは、同フェス以来1カ月ぶりのステージ復帰となった。

昨年の米大統領選に出馬したウエストは、刑務所の環境改善などの改革に熱心に取り組んでおり、ドレイクにフーバー服役囚の釈放を求めるコンサートへの出演を打診したことで和解し、夢の競演が実現したと伝えられている。米音楽界で今年最大の注目となった歴史に残るコンサートにファンは大歓喜し、SNSには「次はぜひツアーをして欲しい」との要望も上がっている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)