問答無用で王座剥奪とはならなかった。世界ボクシング機構(WBO)は10日(日本時間11日)にWBO世界バンタム級王者のジョンリール・カシメロ(32=フィリピン)に対し、10日以内に医療機関の診断書を提出するよう命じた。

 カシメロは11日(同12日)にUAE・ドバイでWBO世界同級1位ポール・バトラー(英国)を相手にV5戦を行う予定も、前日計量を欠席。試合が中止となったことを興行主の「プロベラム」が公式ツイッターで発表していた。フィリピンメディアなどで、体調不良や体重超過などが伝えられる中、陣営はカシメロがウイルス性胃炎で現地の病院に入院中と主張。いずれにせよ世界戦の前日計量を欠席したためベルト剥奪は濃厚とされていた。

 カシメロの代役はWBO同級8位のジョセフ・アグベコ(ガーナ)となり、WBOから暫定王者決定戦として承認。カシメロ陣営がWBOからの厳命をきっちり守り、医療機関からの診断書を提出すれば王座は失わず、暫定王者との統一戦が組まれる見通しとなる。WBAスーパー&IBF世界同級統一王者・井上尚弥(大橋)の4団体統一ロードに大きく影響を与えるだけに、その行方が注目される。