陸上界のニューヒロインが躍動だ。関西実業団ディスタンストライアルin京都2021(11日、たけびしスタジアム京都)、女子1万メートルは、不破聖衣来(拓大1年)が30分45秒21を記録。序盤から安定した走りで日本歴代2位のタイムを叩き出した。

 10月の全日本大学女子駅伝(仙台市)の5区(9・2キロ)で区間記録を1分14秒更新する28分00秒でタスキをつなぎ、一躍脚光を浴びた。先月には「一番の目標は来年の世界陸上なので、そこでしっかり戦えるようになりたい」と決意を述べていたが、見事に世界陸上(米ユージーン)の参加標準記録(31分25秒00)を突破した。

 高校時代は故障に苦しんでいたものの、大学入学後は五十嵐利治監督が「好きなものを食べさせないと大変だから」と全面協力のもと、食事面を改善。体づくりに励み、立て続けに好走を見せている。

 全日本大学女子駅伝時には、テレビ中継を務めた2000年シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子氏が「スターが誕生しましたね」と太鼓判を押した逸材。3年後のパリ五輪に向けて、また1つ階段を上った。