クリスマスから年越しにかけて、4組のカップルそれぞれの人生の転機を描いた。ホン・ジヨン監督。

登場する人々はさまざまな事情を抱えている。左遷された刑事と身辺警護を申請する女性、国際結婚を控える2人、アルゼンチンに傷心旅行に行く女性とぶどう農園で働く男性、パラスノーボーダーと婚約者。ロマンチックコメディーらしい華やかさや明るさ、そんな偶然! というほほ笑ましさに満ちている。

群像劇の良さは、誰かに共感できたり、感情移入ができるところ。全員が不器用ながら、まっすぐなので、知らず知らずに、エールを送りながら見た。8人に加え、姉や母、元恋人の存在も重要なスパイスになっている。

パラスノーボーダー(ユ・テオ)と婚約者(チェ・スヨン)のカップルの行方を注視した。2人の物語を美談仕立てにして売り出したいスポンサーが絡んできたり、恋人を幸せにしたいがゆえに逆に泣かせてしまったりという状況にハラハラとした。2人のハッピーシーンから始まるのも、作品の波乱を予感させる。

一生懸命な登場人物から、新年への希望を込めたメッセージを受け取った。【小林千穂】

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